手に収まる小型サイズなのに、160psi/11barまでの高圧に対応。そんな謳い文句に惹かれ、携帯ハンドポンプ LEZYNE POCKET DRIVE を購入しちゃいました。常備してるCO2インフレーターだけではロングライド時に心許ないと考えての買物だけど、ホントにそんなスグレモノなの？
鍛造アルミ製ボディーがシャープな印象を与える LEZYNE POCKET DRIVE 。収納時は全長140mm・直径24mmとかなりコンパクトです。機能美とミニマリズムを追求する同社のデザインは、相変わらず所有欲をくすぐりますな。ブランドロゴの下に記された“160PSI・11BAR”の文字が誇らしげ
やはり鍛造アルミ製のグリップ部は、CNC切削加工による滑り止めが施されてます。硬質なのに軽くて手に馴染む造作は、エンスーに響く高級感というべきか。もちろんグリップの加工は実用的で、150回以上の連続ポンピング中に左手が滑ることはありませんでした
気になる重量は実測値76g。ライバルのTOPEAK Roadie TT Miniより14gほど軽量、例のポンプより30gほど軽量です。まあ、重量と引き換えに失うものもあるわけで、1回のポンピングで入る空気はそんなに多くありません。仕方ないよ、シリンダーのストローク量が85mmと短いんだもの
ともあれ、軽くて短い LEZYNE POCKET DRIVE はジャージ背面ポケットに苦もなく入るので、携行には困りません。携帯ハンドポンプ選びの要点は、携行性と効率性のどちらを何パーセント優先するべきか。うーむ、これは沼だぞ、底なしのポンプ沼だ。これ以上、進んではいけない臭いがする
気を取り直して、LEZYNE POCKET DRIVE の使い勝手を検証してみよう。まずはブランドロゴ側の端にあるゴム蓋を開け、ネジを緩めてエアホースを取り出します。全長118mmのホースは片側が仏式ヘッド、反対側が米式ヘッド。両ヘッドともエア漏れのないバルブねじ込み式になってます
エアホースを、グリップ側の端に接続するとポンピング可能になります。ちなみに、ヘッド後部にある黒色のポッチは、ホース内に溜まった高圧エアの排出ボタン。タイヤに空気を入れた後、これを押すとバルブから外しやすくなります。LEZYNE自慢のAir Bleed Systemってやつですな
実際に空気を入れるときは、まずエアホースのヘッドにバルブをねじ込んで固定し、それからホースをポンプ本体に接続したほうがスムーズです。ホースは硬い質感とは裏腹によく曲がるので、躊躇せず90°くらいまで曲げて使っちゃいましょう
ポンプをホールドできる指は3本ずつが精一杯。451タイヤ Panaracer Minits Lite Pro（20×7/8）に空気を入れたところ、100回ポンピングで45psi/3.1barでした。120回あたりから抵抗が生まれ、150回を超えると相当な重さ。どうにか200回ポンピングした結果は85psi/5.8bar。これ以上は押せません
ポンピング回数が190回を超えると、もう掌を使わないと押せない重さ。ところが、ボディー後端のホース取出口が掌に食い込んでモーレツに痛いのよ。とてもじゃないけど160psi/11barなんてムリ。せめて、常用してる110psi/7.5barまでは入れたかったなあ……期待してた空気圧まで入れることは叶わなかったけど、85psi/5.8barくらい入ってくれれば、そこそこ走れるか。LEZYNE POCKET DRIVEは、かなりのトレードオフを求められるハンドポンプという印象を抱きました。携行性を重視する人であれば、その価値を大いに享受できるはず。
一方、ポンピング回数やホース接続で生じるタイムロスを考えると、時間制約があるブルべやキャノンボールには向かないですね。かくいうsaruveraは携行性重視タイプなので、このハンドポンプとCO2インフレーターを使い続けるでしょう。いざとなったら、レッツゴー無限ポンピング！
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