松戸で栽培されるレモンを目当てにした江戸川サイクリングロード遡上は、鵜殿シトラスファームで採れたての松戸レモンを購入したことでひとまずの目的を達成。併設カフェでホットレモネードを味わった後、次の目的地 “道の駅いちかわ” へ向かうのでありました(前編を参照)。
まずは鵜殿シトラスファームからきょうちくとう通りを南下し、西馬橋相川町の交差点からいちょう通りを西走します。そのまま突き当りまで進んだ後、ちょっとだけ北上してまこも池緑地の脇から江戸川CRへ復帰。ここから江戸川の左岸を南下して、市川市の里見公園を目指します。
まこも池緑地の脇からスロープを登坂し、土手の上に設けられたサイクリングロードへ。午前中に苦しめられた北風は止み、むしろ南風が吹いてます。とほほ、今日の風向きはひたすらアゲインストだよ。はるか前方のタワマンあたりが市川駅付近だろうと目見当を付け、せっせとペダルを回します。
15分ほど走ると葛飾橋・葛飾大橋が見えてきました。いつもは葛飾橋を渡って右岸へ出るのだけど、今日は橋を潜って直進。ゴルフ場やらキャンプ場と化した緑地やらを傍目に南下を続け、左岸CRが一般道と合流する里見公園の北端へ到達しました。
よし、道の駅いちかわは近いぞ。そんな手応えを、里見公園南面の激坂が瞬殺。公園から東側は、国府台という下総台地の高台なのでした。その東側の中国分も高台で、両地の間にはご丁寧に谷地がある始末。つまりはアップダウンの繰り返しを強いられ、脚が子鹿のように震えております。
涙目になりながら下総台地を横断し、国道298号の脇にある道の駅いちかわへ到着。時刻は14:00になるところ。プルプルと窮状を訴える両脚をマッサージした後、空腹を満たすべく施設内へ。地場野菜や千葉県特産品を物色し、次いでランチタイム中の “いちCafe” に入店であります。
いちCafeで注文したローストビーフランチは、女子力が高めなビジュアル。たっぷりのサラダとローストビーフ、小ぶりなパンとバゲット、スープ、ドリンクという内容で990円はお得感あり。とはいえ、こちとら炭水化物を摂取してナンボなので、食後に売店でオニギリを補給しちゃいました。
こうして1時間ほど過ごし、15:00に道の駅いちかわを出発。購入した地場野菜を背負って、市川北IC南交差点から県道264号を南下します。そして突き当たった千葉街道(国道14号)を西走し、市川橋で江戸川を渡って東京都へ突入。市川橋の西詰から江戸川の右岸CRへ入ります。
茜色に染まった空の下、江戸川CRを南下して篠崎ポニーランドへ。まだ15:30だというのに薄暗く、往来する野球小僧の察知に神経を使います。頼むから点灯してくれ。気疲れを覚えながら江戸川CRを脱し、京葉道路を西走して都心方面へ向かいます。
そして新小松川大橋で荒川を渡河。この橋は自転車通行帯が幅広かつ車道寄りなので、高所恐怖症でも安心して渡れます。毎度のことながら、恐怖心を抱かずに渡れる橋の事前調査には余念がありません。怖くて車両を押し歩くことになると、少なくとも10分はロスしちゃうもの。
こうして浅草橋交差点に辿り着くと、目前に迫った我家とは真逆の日本橋方面へ江戸通りを南下。その理由は、背中に忍ばせた松戸レモンにあります。かつて文学青年だったワタクシにとって、レモンといえば梶井基次郎の「檸檬」であり、それは丸善を抜きに終われない旅路なのです。
ということで室町3丁目で中央通りへ入り、16:30に丸善の日本橋店(かつての本店)へ到着。とはいえ、この店にサイクルジャージ姿で入る度胸はありませぬ。今日のところは勘弁してやらあ! ザコっぽい捨てセリフを吐いて、我家へ引き上げるのでした。
その翌日、一般的な服装で丸善を再訪。ポケットには松戸レモン。売物の洋画集を損ねるわけにはいかないので、平積みされた西洋美術史の見本の上に恐る恐る檸檬を据えつけました。“それをそのままにしておいて私は、なに喰くわぬ顔をして外へ出る” ことはなく、すぐに回収しましたが。
梶井基次郎ごっこに興じた後は、MARUZEN Cafeで同作にちなんだ檸檬ケーキを堪能。レモン果皮に設えられた2種類のレモンムースを口にすると、爽やかな香りが鼻孔をくすぐり、ホロ苦さと上品な甘さが渾然一体となったビタースイートな味わいが広がります。
帰りがけに丸善で新潮文庫版「檸檬」を購入。もともと岩波文庫版も所有してるけど、ジャケ買いみたいなものです。このカバー装丁に惹かれました。表題作の「檸檬」は、わずか9ページに 厨二病を患ったチー牛 デカダンスとアナーキーが詰まった短編文学の傑作です。未読の方は、ぜひ。
こんな後日談も付いた松戸レモンライドの走行距離は約74.6km、走行ルートは[コチラ]です。なになに、どうせ檸檬爆弾を仕掛けるなら京都の丸善まで走れって? それもまた、いつの日かチャレンジしてみたいクエストではありますね。でも、いまは日本橋店でご容赦を。
今回のサイクリングをRelive動画で振り返る

まずは浅草橋から蔵前へ出て、蔵前橋通りを東進。江東新橋で旧中川を渡り、その先の平井大橋で荒川を渡り、新小岩駅を素通りしてさらに東へ。実は最初に “ある目的” を果たすため、江戸川サイクリングロードの入口がある
かくして市川橋西詰から江戸川CRを3.2kmほど遡上し、柴又公園の北から一般道に出て柴又駅前へ。最初の目的地は、駅前商店街の一角にある
柴又観光案内所でのミッションは、このマンホールカードを入手することにあるのです。案内所の方に声を掛けると、手渡してもらえますよ。実際のモンチッチマンホールは新小岩駅前にあり、同じ葛飾区内とはいえ随分と離れた場所でカードを配布してるなあ(直線距離で約4.7km)。
ともあれ、次なる聖地・新小岩駅前へ向かうとしよう。高砂方面へ西走して環七を越え、青戸から道なりに亀有新道へ。そして立石からノスタルジックな街並みが続く奥戸街道を西走し、四つ木の
こうして到達した
そんな新小岩駅北口広場の駅舎寄りに、モンチッチマンホールを発見。マンホールカードと同じ絵柄が描かれてます。ちなみに、新小岩駅周辺には合計10個のモンチッチマンホールが設置されてるそうです。あと、モンチッチのラッピングバスが運行されてましたよ!
さて、次は新小岩駅前から
この地こそ、かの
なお、モンチッチ公園は自転車の乗り入れ禁止です。暑さがキツくなってきたので移動しますか。セキグチ本社屋を見ながら中川沿いを進んで平和橋通りに出た後、少し南にある
すると、みのり商店会の北端で
ここで火照った体を冷やそうと、スペシャル珈琲ミルクかき氷を注文。ふんわり削った氷に、自家焙煎珈琲で作ったシロップの深い風味が効いてます。トッピングの珈琲ホイップは軽く、エスプレッソ粉末のホロ苦さも心地いい。コーヒー好きには堪らない氷菓ですぞ。
さて、クールダウン後は西井堀緑道を北上し、
メトロ横丁の一角にある
葛飾区はセキグチをはじめ、セルロイド工業に端を発する玩具メーカーが多い地域。その地を巡ったポタリングの終焉地は、問屋出自の玩具メーカーが集まる浅草界隈でありました。ちょっと因縁めいた聖地巡礼を象徴しようと思い、雷門を背景にモンチッチちゃんを撮影。
ということで、入間川の左岸を通る国道299号で飯能市街方面へ西走します。この沿道は飲食店が多く、出入りするクルマに注意が必要ですね。やがて圏央道をアンダーパスし、そこから1.7kmほど先の
この生活道路を南下し、元加治駅前で西武池袋線を越えた先は
こうして11:30頃に
帰路は一般道で所沢方面から都心へ向かおうと考え、11:50過ぎに走行を再開。まずは
そして丘陵越え
いかん、頭がボーッとしてきた。ドリンクボトルも空になったので、
体が冷却されたことで活力を取り戻し、狭山ヶ丘駅の南方から
府中街道を南下し、13:50過ぎに
結果、速く走れる江戸街道〜東京街道を選択し、
途中で中学生のパンク修理に手を貸したりしながら、関東バスと抜きつ抜かれつ練馬区・杉並区・中野区を通過。そのまま目白通りを東進し、
いつものように浅草橋から入谷経由で尾久橋通りを北上し、7:00頃に扇大橋へ。ただし今回は荒川を渡らずに、
扇大橋南詰から15分ほどで
埼京線と新幹線の鉄橋を越えた先、
対岸に彩湖を見ながら遡上を続け、秋ヶ瀬橋の少し上流で土手上へ誘導されました。
それにしてもサイクリストの姿が少ない。やはり右岸はマイナーなのか。そんなことを考えながら土手上を走ってると、
水田と土手に挟まれた一般道を進んで川越線を越えると、
ところが、
さて、迂回路から入間川の土手に沿った細道へ出て、水田を左手に見ながらの走行を再開。ときおりクルマが往来するものの、何というのどかな風景。路面コンディションも良好とはいえないので、しばらくポタリング気分で走行しよう。
などと意気込んで入間川CRの遡上を開始したのも束の間、もっさり茂った雑草と虫の大群の前にノックアウト寸前。ビシビシとぶつかる虫の痛いこと。2kmほど走るうちにテントウムシが何匹も貼り付いてるし。いろいろと言い訳を並べてペースダウンする軟弱者であります。
ともあれ入間川CRの遡上を続け、東武東上線と川越線の鉄橋を連続してアンダーパス。その上流の
入間川左岸の自転車道は木々に覆われた区間が増え、ときどきキジの鳴き声が聞こえてきます。繁殖期なのかな。いずれにせよ、木々はあれども自転車道に木陰がないので、10:00を過ぎて強くなってきた日差しがキツイです。5月初旬とは思えない陽気が恨めしい。
なおも入間川CRを進むと、道は
そんな嘆きへの救いの手なのか、
桜並木を抜けてしばらく進むと、
こいのぼりを後にして走ること約2.5km、ついに
さて、涙目になりながら城山通りの頂上まで登坂したsaruveraは、
若葉台公園西通りを南下して、
その後は都道18号で多摩東交差点に戻り、右折して尾根幹を3.5kmほど西走。続けて
11:40を過ぎて著しい空腹感が襲ってきたので、コンビニで炭水化物と水分を補給。休憩後、多摩ニュータウン通りの西走を開始します。が、その直後の
ともあれ、多摩ニュータウン通りは終端手前の
気温が上昇を続ける中、渋滞する町田街道をノロノロと西走し、13:00頃に国道16号八王子バイパスとの
帰路は国道16号を少し北上(
照り付ける日差しと突き上げ振動で疲労が蓄積する中、殿田橋の手前で “妙に気を惹く物体” が視界をかすめました。正体を突き止めるために裏通りへ入ると、やっぱり
勢いに乗って
その後、
この痛みのない痙攣は、おそらく発汗によるマグネシウムの流失で起きたものでしょう。
そんな商店街を抜けて早稲田通りを横断し、大和町中央通りを北上。あるアイテムの現物合わせをする目的で、
さあ、自宅まで残すは15kmばかり。早稲田通りを東進して、浅草橋・蔵前方面へ向かいます。
日本橋浜町から新大橋通りを南下し、築地市場跡の南から
環二通りはクルマ通行の効率化を図った設計らしく、自転車はことごとく歩道へ追いやられます。勝どきと晴海の間を流れる
などとボヤきつつ、黎明大橋の東詰を右折して
ともあれ、次の経由地・新国立競技場へ向かうとしますか。今度は自転車でも走りやすい
都心といえども青山通りは結構な起伏があり、高ケイデンスでシャカシャカとペダルを回すうちに体が温まってきました。青山一丁目あたりでスタートから15kmを超え、脚の筋肉もほぐれてきた感じ(ストレッチをせずに出かけた代償を、後に払うことになりました)。
そして明治神宮外苑を通り抜け、新国立競技場前の
東京スタジアム西側のスタジアム通りを北上し、
まずは緩勾配の人見街道を東進し、
ところが、この小金井街道は幅狭で渋滞しやすく、ストレスが溜まります。住宅地を抜ける道路だから仕方ないと割り切って、続く桜通り〜けやき並木通りを通り抜けるしかありませんな。早くも空になったドリンクボトルに給水しつつ、府中駅の南にある
五輪で選手が続々と駆け抜けた大國魂神社の参道は、原則として自転車走行が禁じられてます。ここは降車して、自転車を押し歩いて進むべし。参道の並木を吹き抜ける風が心地よく、火照った体をクールダウンしてくれます。実質スタート地点の是政橋を前に、英気を養いましょう。
そんな参道を進むと、右手に
さて、大國魂神社を出て府中街道を南下。東京競馬場を左手に見ながら進むと、五輪ロードレースの実質スタート地点・
が、自他ともに認める
現在の松葉は店主ワンオペなので、注文から15分近く待たされることも。その間、店内にびっしり並ぶサイン色紙や写真を見ながら待つべし。巨匠たちと並んで
お待ちかねのトキワ荘ラーメンライスは懐かしさあふれるビジュアル。濁りのあるスープは薄味で、麺は極めてやわらか。年寄り向きの味付けか? その一方でライスはボソボソ。お世辞にもンマーイ!と言えません。やはり名物にうまいものなしか。店主はイイ人なんだけどねえ……。
ちょっと残念な気持ちを切り替えて、次の聖地へ向かいますか。再び目白通りを西走すること約4km。ここ
次は、トキワ荘から巣立った巨匠たちの足跡を追ってみましょう。哲学堂公園を後にして、中野通りをしばらく南下します。そのまま中野駅を越えて、青梅街道と交わる
すると、この辺りにあったという
そんなスタジオゼロは赤塚不二夫氏の加入後、新宿へ移転します。ならばと青梅街道を東進し、成子坂下から十二社通りを南下して
かつて聞いた「
さて、新宿警察署前で青梅街道に復帰したのも束の間、今度は
再び小滝橋交差点へ戻り、今度は早稲田通りから八幡通りを北上して下落合へ向かいます。下落合駅の南口から西武新宿線に沿って西走すると、前方に
この路地の奥に、赤塚不二夫氏が設立した
さあ、最後の聖地へ行くとにしよう。フジオ・プロダクションのすぐ北にある新目白通りを一気走。都電荒川線との並走を楽しみながら飯田橋へ向かいます。夏の日差しで暑くなった体にドリンクボトルの水をかけ、クールダウンしながらペダルを回転。
飯田橋交差点から外堀通りを東進し、最初の信号を左折すると
飯田橋界隈には出版社が多く、足塚茂道がデビューした「冒険王」の秋田書店や少年画報社なども近所にあります。また、ちょっと南下した神田神保町には小学館と集英社。これらも寄りたいところだけど、日差しが強くなりすぎてギブアップ。外堀通りを東進して秋葉原へ戻ります。