野点ライドへ出かけることが増えるにつれ、茶道具の運搬方法を改善したくなってきました。これまで使用してきたワンショルダーバッグは、どんなにタイトに締めても走行中にズレるし、ベルトによる胸の圧迫感が不快。もっと快適に茶道具を携帯・運搬できないものか。
モンベル野点セットを小さくすることはできないので、お湯用ポットをスリムタイプに替えるか。それでも使用中のサドルバッグ BBB COMPACKED には収まりません。ならばとフロントバッグを検討したけど、ヘッドライトの位置変更が面倒だよなあ……。そうだ、アレを持ってたんだ!
お湯を運搬するポットを サーモス JOJ-150 に新調。全高145×全幅45mmと小型で、重量も95gと軽量です。ポットの容量150mlに対し、一杯の抹茶を点てる湯量は、薄茶で70ml、濃茶で40ml。まあ、出先で一服の茶を楽しむという目的は果たせるかな。
バッグを思案してたら、半年前にロールクロージャー式サドルバッグの TOPEAK BACKLOADER 6L を購入してたことを思い出しました。ブルベ出走を見据えて、セール時に調達したんだっけ。シリーズ中で最小サイズの6L容量で、TOPEAKらしいツボを抑えた機能性。それでいて安価!
TOPEAK BACKLOADER の開口部は、ロールクロージャー式ならではのガバっとした大きさ。およそ縦160×横160mmくらいに開くので、収容物を出し入れしやすいです。閉じるときは、上側へ3回以上ロールアップし、左右のバックルを留めるだけ。表地はある程度の撥水性があります。
TOPEAK BACKLOADER 最大の特徴は、このインナーバッグ。裏地にポリウレタンコーティングによる防水加工を施してあり、表地の撥水加工と相まって内部への浸水を阻止します。大雨にも耐えられる防水性能(耐水圧10,000mm)は、このインナーバッグに負うところが大きいのでは。
インナーバッグにシャワーで水を掛けたところ、撥水加工された表地に弾かれて一切の浸水なし。使用時のことを考えると、たとえアウターバッグの縫い目から水が染み込んでも、収容物にまで水気が入る確率はかなり低いですね。さすが、ブルベライダーに支持されるだけはある。
このインナーバッグの魅力をさらに大きくしてるのが、バッグ内の空気を抜くためのエアリリースダイヤル。インナーバッグをロールアップすると、内部に空気が溜まってパンパンになります。そんなときにダイヤルを開放すると、プシュ~っと空気が抜けてコンパクトになるわけです。布団圧縮袋みたい。
TOPEAK BACKLOADER のインナーバッグに、工具を入れたサドルバッグ+モンベル野点セット+150mlポットを入れてロールアップするうちに、内部に溜まった空気でパンパンになっちゃいました。まだジャストサイズに達してないのに、これ以上ロールアップできません。
そこでエアリリースダイヤルを開放して空気を抜くと、収容物の形や大きさに即してみるみる圧縮。ジャストサイズまでロールアップしてから左右のバックルを留め、コンパクトに荷造りできました。圧縮効果の高い衣料品の収納時は、かなり役立ちますね。2泊分くらいは余裕かな。
さて、工具入りサドルバッグやら野点セットやらポットやらを入れたインナーバッグを、アウターバッグに収納してみるか。そこまで収容物が大きくないので、ロールアップの回数が多い……。結果、2~3L容量くらいのサイズ感になりました。この可変性がロールクロージャー式の利点ですね。
TOPEAK BACKLOADER のバックルにはレバー式アジャスターが設けてあり、ストラップの長さを簡単に調節できます。ロールアップしたバッグ自体も、サドルレールへの装着も、がっつりタイトに固定できるのは、バタつきやグラつきを軽減できてありがたい。
ちなみに、TOPEAK BACKLOADER アウターバッグの下面と両側面には、型崩れを防止する樹脂板が内装されてます。そのため、絞られた形状のシートポスト側は収容物の形状に制約が生じる反面、バッグが太もも裏やタイヤに接触する恐れは軽微です。
また、アウターバッグ後端にはテールライト装着用のスリットが計3つ設けられてます。そのため、収容量に応じてロールアップ回数が増減しても、問題なくテールライトを装着できます。収容量が多ければ複数のスリットを使えることになるので、ロングライド時の被視認性を高められますね。
それでは、TOPEAK BACKLOADER を GIOS FELUCA に装着してみますか……。うーむ、大きめのバックルが災いし、規定値より前進させたサドルとレールの隙間に固定ストラップが通りません。想定外の事態にヒザが折れかけたけど、ここは諦めるしかないか。
一方、LIGHTCYCLE Ti451 はサドル後部に余裕があったので、サドルとレールの隙間に固定ストラップを通すことができました。そうはいっても、どうにかバックルが通る程度のクリアランスなので、素早い着脱が可能とは言えません。できることなら固定したままにしたい。
TOPEAK BACKLOADER そのものの形状としては、収容量が多いほどロールクロージャー式らしいシルエットになって見栄えがしますね。これはミニマム・パッキングを美徳とするsaruveraにはカルチャーショックでした。ヤック・デカルチャー!
ただし、収容量が増えるほど左右に振られやすくなるので、できるだけ荷物は増やしたくないなあ。工具と野点に必要な道具を収容した TOPEAK BACKLOADER の総重量は1,200g。試走したところ、高い位置に荷物がある感じは伝わってくるものの、ある程度の距離は問題なく走れそう。
TOPEAK BACKLOADER はロールクロージャー式とインナーバッグの相乗効果で、それなりに “大は小を兼ねる” ことが可能なサドルバッグという印象を受けました。インナーバッグ単体を別売してるので、破損時の交換が効くのも助かります。あとは使いながら耐久性の検証ですね。
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