やっぱりカンチブレーキの制動力は貧弱ですな。ましてや、効かないことで評判のTEKTRO製ともなれば、命に関わる事態も起こりうるわけで……。先日 BRUNO SKIPPER で近所を走行中に夕立に遭った際、いくらブレーキレバーを強く握っても空走する恐怖を味わいました。
このときは足を路面にこすって制動できたけど、クルマと接触寸前。BRUNO SKIPPER に装着してるカンチブレーキ TEKTRO CR710 の制動力を強化しないと、命がいくつあっても足りませぬ。ならば CR710 と互換性のあるシマノ製ロードバイク用シューパッドを使って、制動力を高めるとしよう。
ということで、ブレーキシューパッド SHIMANO R55C3 を2パック(前後ブレーキ分)調達しました。DURA-ACEにも使用される頼り甲斐のあるヤツ。より新型のR55C4のほうが雨天の制動力が高いようだけど、あれは9000/6800/5800以降用なので互換性に不安があり回避しました。
TEKTRO CR710 に付属してたシューパッド(写真上)が柔らかいプラスチックのような手触りなのに対し、SHIMANO R55C3(写真下)は手で曲がらないほど硬いのにゴムのような質感。つまり、剛性が高くてリムへの食い付きも良好ということですね。深い溝も水ハケがよさそう。
シューパッドを交換するには、ブレーキシューを取り外す必要があります。まずはブレーキアーチに設けられたアジャスターを回してアーチワイヤーを緩め、次にブレーキシュー固定ボルトを5.0mmヘックスレンチで緩めます。このときブレーキシューとワッシャーが落下しやすいので、紛失に注意。
TEKTRO CR710 のブレーキシューは、こんなにも多くのボルトやワッシャーを伴ってブレーキアーチと固定されてます。左の4つがアーチ外側で、右の2つアーチ内側に使われる部品。紛失だけでなく、組み付け時に方向や順序を間違えないように気を付けて管理しましょう。
ブレーキシューからシューパッドを引き抜き、替わりにR55C3を挿入。固定ボルトもR55C3付属のものに交換し、緩み止め剤のロックタイト222を塗布したうえで締めます。ちなみに固定ボルトのヘックスレンチ穴径が、TEKTRO製は2.5mmでシマノ製が2.0mm。まあ面倒くさい。
さて、ブレーキシューをブレーキアーチに仮止めしたら、ブレーキシューチューナーを挟んだうえでブレーキレバーを握り、シューパッドがトーインになるように調整しながら固定。そしてリムとの隙間を見ながらブレーキアーチのアジャストボルトを締め、好みの遊び具合に調整します。
リアブレーキも同じように作業をして、シューパッドをR55C3に交換。ただ、先日から片効きになってたので、左右ブレーキが等量で稼働するようにチドリとアーチワイヤーの固定位置を調整しました。この状態からレバーを握ると両効き(左右等量に稼働)という歪さに、素人作業の限界が見えますな。
作業ついでに、チェーンリングボルトをFC-5700純正品からKCNC製に交換。インナーチェーンリングを撤去したFC-5700に対して、純正ボルトがカッチリ固定できてなかったんですよね。
で、KCNC製シングル用ボルトを使ったら掛かりが浅くて、KCNC製ダブル用ボルトを買い直したアホです。 誤ってクランクアームの内側からアウターチェーンリングを装着したことで発生したエラーでした。正しくクランクアームの外側からアウターリングを装着したら、シングル用ボルトでジャストフィットしました。
2ピース構造のボルトを挿入し、裏側を8.0mmヘックスレンチで固定しつつ表側を5.0mmヘックスレンチで仮締め。星を描くように対角線ごとのボルトを均等に締めていき、最後にトルクレンチを使って7.0Nmで締めて完了。ほぼ外見が変わるだけなので、カスタムというよりドレスアップです。
閑話休題、シューパッド交換による制動力をテストしてみましょう。折しも戸外は、台風の連続接近で土砂降りの雨。雨天での制動力を試すには好都合な天候ではあります。しばし逡巡した後、大粒の雨に打たれながら BRUNO SKIPPER で近所を10分ほどテストライド。
結果、雨中での制動力はしっかり向上しました。キャリパーブレーキと比べれば劣るものの、走馬灯がよぎるような空走は解消。ブレーキレバーを握る時間と握力に応じて、しっかりとした制動力を示すようになりました。これなら街で降雨に遭遇しても、無事に帰宅できるでしょう。
これ以上の制動力を求めるのであれば、Vブレーキへの換装が望ましいかな。でも、あのデザインは好みじゃないんだよなあ。ともあれ、BRUNOミニベロの多くは今もカンチブレーキが採用されてるので、シューパッドを SHIMANO R55C3 に交換することで安全性が格段に高まりますね。