ガチで使えるサコッシュはコレだ

saruvera

サコッシュが自転車界隈を飛び出し、世間に定着したのは喜ばしいことですね。ただ一方で “サイクリスト向けの機能性” は薄れるばかり。携帯時は背面ポケット内の場所を取らず、使用時は荷物を入れてもペダリングの邪魔にならない、そんな “ガチで使えるサコッシュ” はないものか。
 
ならば、世間で高く評価されてるサコッシュを再検証し、ガチで使えるサコッシュをあぶり出すことにしよう。検証するのは以下の3製品。CCP ライクラサコッシュモンベル U.L.MONO ショルダー Mオーストリッチ サコッシュ SL です。

この記事の目次

  1. CCP ライクラサコッシュ
  2. モンベル U.L.MONO ショルダー M
  3. オーストリッチ サコッシュ SL
  4. 使えるサコッシュ検証の総括


 

CCP ライクラサコッシュ

引っ張ると4~7倍に伸びるポリウレタン弾性繊維 “ライクラ” を使用したサコッシュです。新世代サコッシュだの、体に巻き付くようなフィット感だの、称賛記事がネット上で散見されますね。実際のところ、どうなのよ。saruveraにとって、機能的なサコッシュとは?を考える原点になったブツです。
 
CCP ライクラサコッシュ小さく丸められる CCP ライクラサコッシュ の収納サイズは、縦80mm×横55mm×厚さ55mm(たたみ方で変わります)。背面ポケットに入れるとモコモコします。計測重量は43gで、まあ軽量かな。
 


ちなみに、折りたたむときはバッグ部をベルト幅に合わせて折って、バッグの底側からロール状にくるくる巻いていき、ショルダー部の終端をリングに通して固定します。
 
CCP ライクラサコッシュ使用状態に展開した CCP ライクラサコッシュ のバッグ部は、およそ縦190mm×横130mmと縦長。マチはないけど伸縮性に富んでるので、見た目よりも収容力があります。
 
CCP ライクラサコッシュ伸縮性を生かすことで、ELITE FLYボトル(550ml)を強引に3本入れられます。ヘルメットも入れることはできるけど、それを背負うことは難しく、現実的な話ではありません。
 
CCP ライクラサコッシュ開口部に設けられたリングも CCP ライクラサコッシュ の特徴。ショルダー部を通すことで、展開時は内容物の飛び出し防止、収納時は広がることを防止できます。
 
CCP ライクラサコッシュミネラルウォーターの500mlペットボトルを2本入れた CCP ライクラサコッシュ を背負った状態。手触りとは裏腹に摩擦抵抗が少なく、伸縮性も仇となり、背中で暴れて脇腹にズリ落ちてきます。
 
CCP ライクラサコッシュならばとバッグ部を胸側に回せば、さらに使い勝手は悪化。収容物の重量で生地が伸びて垂れ下がり、ペダリング中のヒザに当たりまくり。ムダに体力と精神を消耗する羽目になります。
 
CCP ライクラサコッシュ は、最大の特徴である伸縮性が最悪の結果をもたらす迷品。saruveraは4年前に購入したものの、2回使ってお蔵入りさせました。これを高評価してる人は、よほどアップライトなポジションなのか、ほとんど走らない人なのかな。個人的にはガチで使えないサコッシュです。

モンベル U.L.MONO ショルダー M

アウトドア界隈で評判のいいショルダーバッグで、たすき掛けにすればサコッシュとして使えます。引き裂きに強いダブルリップストップ生地に、シリコンをコーティングして防水性を確保。ただし、ユーザーに割り切りを求める傾向にあるので、人によって評価が割れる製品です。
 
モンベル U.L.MONO ショルダーモンベル U.L.MONO ショルダー M の収納サイズは、およそ縦75mm×横65mm×厚さ40mm。まさしく手のひらに収まります。計測重量は33gと軽量で、重量負担を感じません。
 


折りたたむときは、外側から内ポケットに生地を押し込んで詰めます。折りたたむ作業場所を選ばないので、出先でも収納が簡単。ズボラなsaruveraは重宝してます。
 
モンベル U.L.MONO ショルダー使用時の モンベル U.L.MONO ショルダー M のバッグ部は、縦190mm×横270mm×厚さ450mmのマチ付きB5サイズ。ちなみに、LはA4サイズ、Sは四六判サイズです。
 
モンベル U.L.MONO ショルダー生地に伸縮性はなく、ELITE FLYボトル(550ml)2本分+若干の余裕というレベル。容積0.7Lだけあって、あまり大きなものは入りません。使うにはミニマリスト的な割り切りが求められます。
 
モンベル U.L.MONO ショルダーバッグの開口部はファスナー付き。内ポケットは収納時のための存在と考えたほうがイイですね。ショルダーベルトは長いので、体に密着する長さに縛って使用してます。
 
モンベル U.L.MONO ショルダー500mlペットボトルを2本入れた モンベル U.L.MONO ショルダー M を背負った状態。ヌルっとした手触りのシリコンコーティングが滑り止めを果たしてるようで、ズレたり暴れたりは皆無です。
 
モンベル U.L.MONO ショルダーバッグ部を胸側に回した場合、小容量が幸いしてヒザに当たることはありません。また、体との密着度が高いので、バッグ部が前後に揺れても負担は少なく感じます。
 
さすがのモンベル製だけあって U.L.MONO ショルダー M は、かなり使える名脇役といった存在。ペラペラな生地に最初は不安感を覚えたものの、1年ほど使う中で破れる気配はありません。難点は入手性ですかね。モンベルのショップが増えてるとはいえ、まだ限られた店舗数だもの。

オーストリッチ サコッシュ SL

足立区が世界に誇る軽量輪行袋 SL-100 と同素材で作ったサコッシュ。軽量で高強度なレオナWリップ65ナイロンを生かしたシンプルながら勘所を抑えた造作は、さすがオーストリッチという感じ。A4サイズであることや正しい使い方を認識した人には、間違いない選択といえるでしょう。
 
オーストリッチ サコッシュ SLオーストリッチ サコッシュ SL の収納サイズは、およそ縦70mm×横65mm×厚さ40mm(たたみ方で変わります)。計測重量は24gで、検証したサコッシュで最軽量でした。これはスゴイ!
 


折りたたむときは、バッグ部をベルト幅に合うまで折り重ね、バッグの底側からロール状にくるくる巻きます。最後にショルダーベルトの終端を、巻いたショルダーベルトに差し込んで固定。
 
オーストリッチ サコッシュ SL使用状態に展開した オーストリッチ サコッシュ SL は、縦270mm×横335mmのA4サイズ。マチや伸縮性はないけど、容量不足を感じることはありません。
 
オーストリッチ サコッシュ SLELITE FLYボトル(550ml)が余裕で4本入る収容量。500mlペットボトルは5本も入りました。そうはいっても、調子に乗って物を入れすぎると体への重量負荷が嵩むので、入れすぎ注意ですね。
 
オーストリッチ サコッシュ SLバッグの開口部にはボタンが設けられてます。留め具はこれだけなので、小さい物は逆さにするとこぼれちゃいます。大きくて重くないものを収容するのに適した感じ。
 
オーストリッチ サコッシュ SL500mlペットボトルを2本入れた オーストリッチ サコッシュ SL を背負った状態。サラッとした手触りの割に摩擦抵抗があるようで、ショルダーベルトを縛って体に密着させればズレたり暴れたりしません。
 
オーストリッチ サコッシュ SLバッグ部を胸側に回した場合は、大容量が災いしてヒザに当たります。正直、ペダリングの邪魔でしかありません。サコッシュ下端に100均のキャップクリップを付け、体と固定すれば改善するかも。

使えるサコッシュ検証の総括

今回の検証で得られた “サコッシュ選びのポイント” は、製品とサイクリストの両者にある “引き算のベクトル” のマッチングにあると感じました。オーストリッチ サコッシュ SL の造作は素晴らしいけど、そんなに大きな荷物を持って10km以上も走る気にはなれません。
 
サイクリング先で買った土産物を持ち帰る用途であれば、50〜100kmの運搬をすることになります。その際の走りやすさを考えると、saruveraの選択肢は モンベル U.L.MONO ショルダー M に帰結。サコッシュに入らないサイズの土産物は買わない、というベクトルの引き算です。
 
とはいえ、相方を伴う近場ポタリングや、チーム小輪爺ジャージを何枚も運搬するときは、オーストリッチ サコッシュ SL を使うことになるでしょう。要はTPOに応じた選択ってことですかね。ああ、そうだ CCP ライクラサコッシュ よ、お前だけは許さん。

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