キャリパーブレーキを再調整して制動力を得る

saruvera

話は先週に遡って、チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 のコラムをカットしてもらうためにライトサイクルまで初走行したときのこと。あら? ブレーキの効きが弱いぞ。ULTEGRAブレーキは軽々とロックするくらいの制動力があるはず。ましてやBR-R8000がこんなに貧弱なわけがない。
 
案の定、組み付けに間違いがありました。ライトサイクル高橋店長から怒涛のダメ出し。❶ケーブル調整ナット側のアウターエンドキャップは不要、❷フロントのブレーキシューがリムに届いてない、❸リアのブレーキケーブルが長すぎる……。いただいた助言をもとに、修正と再調整をせねば。


 
フロントブレーキのシューがリムに届いてないST-R8050に付属してたノーズ付きアウターエンドキャップを使ったことで、キャリパーの調整ナット内でブレーキケーブルが不安定になってました。ブレーキシューは限界まで下げてもタイヤに掛かるので、斜めにして前半分だけリムに届かせてました。あと2mm下がれば全面がリムに届くのだけどなあ。
 
ギザプロダクツ オフセットブレーキシュー SR-CNC1そこで、ギザプロダクツ オフセットブレーキシュー SR-CNC1 を調達。ショートリーチのキャリパーブレーキを、最大10mmまで下方オフセットできるブレーキシューです。2mmほど下げるだけので、そこまで制動力が落ちることはないでしょう。評判も悪くないパーツだし。
 
BIKEHAND ブレーキシューチューナー YC-193ついでに、BIKEHAND ブレーキシューチューナー YC-193 も調達。ブレーキシューを確実にトーインで固定するために、使ってみることにしました。前方が薄くなったプラ版でしかない単純な道具ゆえ、価格も500円弱とお安い。これで作業の効率化と確実性が増すなら、ありがたいものです。
 
ブレーキシューチューナーを使ってシューをトーインに調整まずはケーブル固定ボルトを緩めてケーブルを抜き、アウターキャップを除去してから挿し直します。次にブレーキシューをオフセットブレーキシューに交換。そしてシューとリムの間にブレーキシューチューナーを挟み、キャリパーを握りながらシュー位置を調整してシュー固定ボルトを締めます。
 
キャリパーを抑えてワイヤーを固定シューが固定できたらブレーキシューチューナーを抜きます。そして、改めてキャリパーを握りながらインナーケーブル末端を引っ張り、ケーブルのたるみを解消したうえでケーブル固定ボルトを締めます。よほど握力が強くない限り、この方法でも若干のクリアランスを確保できます。
 
トーインになったブレーキシューインナーケーブルを固定したら手を離し、各ボルトを増し締め。ブレーキシューをトーインにセットしつつ、リムとの間に幅狭なクリアランスを確保できました。フレーキレバーを軽く引いた段階でブレーキが効きはじめるので、制動力だけでなくコントロール性もバッチリ。
 
ブレーキシューが全面的にリムに届くようになった組み直したフロントブレーキを横から見て、下方オフセットしたブレーキシューが全面的にリムに当たる位置で収まってることを確認。今度はレバーを握る力に応じて、しっかりした制動力を発揮してます。長すぎたインナーケーブル末端も切り詰めましたよ。
 
リアのブレーキケーブルが長すぎるさて、長過ぎると指摘されたリアブレーキケーブルは、フレームの入口孔に押し込みつつ出口孔から引き出してフレーム前の長さを短縮。次にリアキャリパーからインナーケーブルを外し、レバー側から20cmほど引き抜きます。この状態でキャリパー側のアウターケーブル長を見直して余分をカット。
 
アウターケーブルに余計なエンドキャップを付けてたリアブレーキも余計なノーズ付きアウターエンドキャップを付けてたので、インナーケーブルを外した際にキャップを除去して挿し直し。シューはリムに届いてるので、ブレーキシューチューナーを使ってトーイン調整後、クリアランスを再調整してインナーケーブルを固定します。
 
アウターエンドキャップを外してインナーも短縮再調整が済んだら、リアブレーキキャリパーの各ボルトを増し締め。最後に長過ぎるインナーケーブル末端をカットし、新しいインナーエンドキャップをカシメて完了です。こちらもULTEGRAならではのカッチリとした制動力を発揮できるようになりました。これで安心して走れる!
 
リアブレーキのケーブルを短くして制動力を向上リアブレーキケーブルの全長が150mmほど短くなったことで制動力が向上したほか、フロント周りのケーブルルーティングがタイトになりました。その分、フレームと接触しやすくなった箇所に、エレクトリックケーブルと束るために使ってたフレームプロテクター(ねじねじ)を移植。
 
リアブレーキケーブルをねじねじで保護フレーム後方のアウターケーブルは、出口孔から引き出す際にバリで外皮に傷を付けちゃいました。放置するとトラブルを起こしかねないので、傷を透明プラスチックテープで補修した上からフレームプロテクターでカバー。ちょうどシートチューブに接触する箇所だったので違和感なし。
 
STIを内向きにしてレバーをハの字に調整これらと合わせて、デュアルコントロールレバーの取り付け角度も再調整。上から見るとブラケットが内向きになるように、そして正面から見るとレバーがハの字になるように調整しました。腕から手にかけて変な角度が付かないポジションを求めた結果、手首や指の自由度が高まりましたよ。
 
完成した LIGHTCYCLE Ti451こうして “安全に走れる状態” に至ったので、ひとまず チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 の完成としますか。フレームの仕様策定から10カ月、あれこれ妄想しながらパーツを集めては、ちまちまとイジくる楽しい日々でありました。まだ残る調整事項はチューニング領域とし、走りはじめますぞ。
 
ということで今週末に、荒川CRでのシェイクダウンを計画。シンクロナイズドシフトなどのDi2チューニングも済ませないとね。完成に合わせて装着したボトルケージも結構おもしろいブツなので、改めてレビューします。あとは、車両に負けないエンジン強化ですな(これが最大の課題)。

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