タイヤ径が小さなミニベロは、クランク1回転で進む距離と速度が700Cロードの70%程度(451タイヤで同ギア比の場合)。だから、ミニベロが700Cロードに近づくためには、大径チェーンリングが欠かせません。なのに、我が手元にあるのは50/34Tのコンパクトクランクだよ……。
ワイズロードオンラインで大安売りしてたグループセットのFC-R8000は、チェーンリングが50/34Tかつアーム長が170mmのみで変更不可。ならば別途、大径チェーンリングを調達するしかあるまい。とはいえ、FC-R8000は最大でも53/39Tだし、55/42TのあるFC-9100は高価すぎるなあ。
そんな検討をする中で、非真円チェーンリングの RIDEA ROAD POWERING Lami Flow に着地。こいつの53/39T W3(±3)なら実質的に最大56/42Tだし、軽くなるポイントは50/36Tだから登坂時の負荷を減らせるかも。かなり都合のいい解釈をしながら、ヤフオクに出てた新品を調達しました。
ちなみに IDEA ROAD POWERING Lami Flow 53/39T のアウターとインナーの合計重量は172g。FC-R8000の純正50/34Tチェーンリングは合計144gだったので、28gの重量増になります。こうやって比較すると、シマノの軽量剛性技術の高レベルっぷりに改めて感心します。
このチェーンリングを装着する チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 は、ULTEGRA Di2 の内装が完了したものの、BB装着で大失敗(前回を参照)。ライトサイクルの高橋店長に見てもらったところ、BBのネジ山が欠けてBBシェル側に詰まってたそうで、新しいBB-R9100を装着してもらいました。
BB交換のためにフレームを一晩、ライトサイクルに預けることになったので、その間に自宅でチェーンリングの交換作業を進めます。新品の FC-R8000 ではありますが、50/34Tのチェーンリングはお蔵入り。170mmのクランクアームは GIOS FELUCA の FC-6600 と同様なので問題ないでしょう。
チェーンリングを外すため、インナーリング裏側のチェーンリングボルトを外します。この純正ボルトときたら、規格がトルクスなのよね。トルクスのラチェットレンチを使って、対角線ごとにボルトを緩めていきます。外したときに勢い余って歯で手を切らないよう、ちょっとずつ慎重に。
RIDEA ROAD POWERING Lami Flow のアーム固定部は、FC-R8000 のアーム基部にぴったりハマる形状になってます。おかげで、取り付け角を間違える心配なし。固着防止のデュラグリスを塗って、チェーンリングボルトで固定するだけ。おや、純正チェーンリングボルトが空転するぞ……。
RIDEAのチェーンリングの固定には、一般的な構造のチェーンリングボルトが必要とのこと。朝イチでアサゾーへ行くとRIDEA製ボルトが欠品中だったので、代わりにKCNC製ダブル用チェーンリングボルトを購入しました。ド派手な色だけど、黒色なクランクのアクセントになるかな。
2ピース構造のチェーンリングボルトを挿入し、裏側をヘックスレンチで固定しつつ表側をもう1本のレンチで締めます。まずは表側のボルトもヘックスレンチで対角線ごと均等に締めていき、最後にトルクレンチを使ってFC-R8000指定トルク(12-16Nm)範囲内の14Nmで締めて完了。
非真円チェーンリング RIDEA ROAD POWERING Lami Flow を組み付けた FC-R8000 は、なかなかに異彩を放つ姿。クランクアームとの段差が隠れるRIDEA製カバー付きボルトは、ふざけた値段なので使いません。なあに、却って異形らしさが強調されてイイじゃない。
非真円化したクランクセットを、ライトサイクルから引き上げてきた Ti451 に装着。クランクシャフトの挿入が固かったので、ウエスを巻いたプラスチックハンマーでポコポコ叩きながら入れました。BBから出てきたシャフトに左アームを挿し、固定ボルトを指定トルク範囲内の14Nmで締めて完了。
ペダルは例によって SPEEDPLAY ZERO クロモリ を使用。ただし新品は高価なので、ヤフオクで中古品を物色しました。すぐに傷が付いちゃうモノだから、動作に問題なければ良し。結果、4,000円にしては上々なコンディションのブツを入手できました。
この SPEDPLAY ZERO は中古品だけあって、ちょっと回転が渋くなってました。おそらく原因は、ペダル内のグリスの劣化によるものだろうな。そこで日頃のメンテ同様、アクリル接着剤用シリンジを使ってAZリチウムグリースを注入。おお、かなり重い手応えがするなあ。
なおもグリスの注入を続けると、ペダルシャフト側からドス黒く汚れたグリスが出てきました。ミチミチと音を立てて出てくるグリスがキレイな色になるまで注入を続けた甲斐あって、しっかりとした粘度を感じさせながらも滑らかに回る SPEDPLAY らしいペダル回転が戻ってきました。
今回はペダルの本体色をブラックにしたので、FC-R8000 クランクアームとのカラーマッチングも上々ですね。チェーンリングボルトの赤みがかったゴールドが、黒色基調ゆえに単調になりがちなクランク周りに適度な表情を与えてます。この配色、気に入った!
ということで、クランク周りの装着が完了した LIGHTCYCLE Ti451 の全体像をチェック。ただでさえアンバランスなスタイリングが、RIDEA非真円チェーンリングによって一段と歪になりましたな。だまし絵のような違和感が、想像してた以上にイイ感じ。
ともあれ、ペダルが付いたことで乗車できるようになったので、およそのポジションを出せる状態になりました。それが済んだらチェーン装着と変速調整、そしてブレーキの装着か。完成の日が近づいてきましたぞ。ああ、現実味を帯びてきたシェイクダウンが待ち遠しい!
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