梅干しを自家製するようになって三度目の夏が来ました。相方から赤い梅干しを食べたいというリクエストがあったので、今年は梅と赤シソと一緒に漬けて「赤梅干し」を作るとしますか。店頭に並ぶ梅が黄色く熟してきた6月上旬の週末、南高梅2kgと赤シソ1kgを買ってきました。
熟して赤色が差した南高梅の入手に成功。傷も少なく、なかなかの状態ではないでしょうか。パッケージの中で蒸れてたので、まずは紙の上に広げて半日ほど乾燥。桃のような甘い香りが室内に広がり、ちょっと幸せな気持ちになります
密封ビンで作る[赤い梅干し]下漬けレシピ
梅漬け | 生梅(熟した果実) | 2kg |
粗塩 | 320g(梅の重量の16%) | |
ソーダガラス密封ビン | 4リットル容量 | |
厚手のビニール袋 | 最低4枚(2枚×2) | |
シソ漬け | 赤シソ | 1kg |
粗塩 | 96g(シソ葉の重量の16%) | |
酢 | 大さじ1 | |
フリーザーバッグ | 1枚 | |
殺菌用 | 甲類焼酎(梅の殺菌用) | 適量 |
無水エタノール(器具や手の殺菌用) | 適量 |
密封ビンで梅を塩漬けにする
それでは梅の下処理をはじめますか。やさしく水洗いした梅のヘタを、竹串でほじくって除去します。次に梅の表面に残る水分や汚れをキッチンペーパーで拭き取り、消毒済のボウルへ投入。そこへ甲類焼酎をふりかけて、全ての梅の表面をまんべんなく焼酎で湿らせます。これで梅の殺菌作業は完了
梅の重量の16%に相当する粗塩(今回は梅2kgに対して粗塩320g)を用意。そのうち1/3は別皿に分け、残り2/3の山から掴んだ塩を、消毒済の密封ビンへ振り入れます。その上に梅を1列に敷き詰め、その上に粗塩を振ってを繰り返し、最上段の梅を覆うように別皿の粗塩を振り入れて完了
その上に、重石代わりの水入りビニール袋を載せます。厚手のビニール袋を二重にし、内側の袋へ慎重に水を注ぎ入れ、破れない&こぼれないように固しばり。重しの上にスプレーなどで甲類焼酎をかけて殺菌し、ビンのフタを閉めて密封。2日目には梅が浸る高さまで梅酢が出てきました
梅酢(塩漬け梅から出る液体)は殺菌効果がとても強く、梅の腐敗を防いでくれます。逆に言えば、梅酢に浸ってない部分はカビが生えるので、5日以内に全梅が梅酢に浸るようにしましょう。密封ビンを揺すって梅酢を行き渡らせたり、水入りビニール袋を追加して加圧したり、梅酢が出るのを促進すべし
赤シソの葉を塩漬けにする
赤シソの葉だけを茎から千切り取って、水を張ったボウルで洗います。そして風通しのいい場所に新聞紙を広げ、洗った葉を並べて2時間ほど放置。葉に付いた水分を、天日と風で乾かします。完全乾燥しなくても問題ないので、あまり神経質にならなくても大丈夫
赤シソの葉が乾いたら、消毒済のボウルに入れます。そこに、葉の重量の16%に相当する粗塩(今回は赤シソ葉600gに対して粗塩96g)を追加。そして、清潔な手で入念にシソ葉を揉みます。粗塩がまんべんなく行き渡るようにしながら揉んでると、やがて葉の水分が出てきます
ここでのミッションは、シソ葉から出てくる紫色のアク汁を可能な限り出すこと。全体重をかけてシソ葉を揉み、アク汁を捨てては揉むことを3〜4回ほど繰り返すと、ダークマター黒い塊が誕生します。これを手でほぐし、酢を大さじ1加えて馴染ませると赤く変色。赤シソ塩漬けの完成です
赤シソ塩漬けはフリーザーバッグに入れて冷蔵庫で保管。梅の塩漬けが進行して梅酢が出るまで保存しておきます。赤シソは出回る時期は短いので、店頭に並んだら即購入して塩漬けにしておき、投入する機が熟すまで待つわけです。
梅漬けの密封ビンに赤シソを投入
密封ビンで漬けてる梅が梅酢に浸りきってから1週間ほど経ったら、赤シソ塩漬けを投入してみましょう。まずは梅漬けの密封ビンのフタを開け、水入りビニール袋を慎重に取り出します。ビニール袋の口を開け、中の水をお玉で掬い出してから袋を取り出すなど、細心の注意をしながら作業。
次に、消毒済のボウルに赤シソ塩漬けを入れ、梅漬けの密封ビンから梅酢を大さじ3〜5ほど拝借して振りかけます。そして、清潔な手で赤シソ塩漬けを丁寧にほぐしていきます。ボウル内の梅酢・シソ・手が、鮮やかな赤色に変色。梅酢の匂いがツーンと強烈なので、むせないように
密封ビンに積み重なった梅の最上部へ、ほぐした赤シソを敷き詰めます。できるだけ均一に並べたら、ボウル内の梅酢も密封ビンへ戻します。その上に、新しい水入りビニール袋の重石を作って載せ、甲類焼酎をスプレーして殺菌。フタをして1週間ほどで、ビン内の梅酢が真っ赤に染まりました
以上で、赤い梅干しを作るための下漬けは完了。この密封ビンを冷暗所に保管して1カ月ほど漬け込みます。ときどき揺すったり匂いをかいだりして腐敗してないかチェック。トラブルがなければ、7月下旬〜8月上旬に3日間の天日干しを実行します。その成果は、来月の[土用干し編]をお待ちください。
ご感想をどうぞ