ミラーレス一眼カメラの技術進歩は著しく、ASP-Cやフルサイズでも小型なカメラが増えました。だからといって “マイクロフォーサーズは終わった” とは浅慮が過ぎる。特にサイクリングに求められる小型軽量と表現力を両立するなら、未だマイクロフォーサーズの独壇場でしょう。
他規格とのスペック競争で迷走する以前のマイクロフォーサーズには、とんでもなく小型軽量のボディが存在してました。saruveraが8年ほど愛用してる LUMIX DMC-GM5 もその1つ。ジャージ背面ポケットに収まるサイズながら多彩なレンズが使えるので、サイクリングのお供に欠かせません。
DMC-GM5 は手のひらにすっぽり収まるミラーレス一眼カメラ。マイクロフォーサーズはフルサイズよりボケないという声もあるけど、そんなものはレンズと撮り方でどうにでもなります。スペックよりシャッターチャンスを逃さない機動性を重視する人向け(だから不人気で後継機なし)。
saruveraの定番は、単焦点広角パンケーキレンズ LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH. との組み合わせ。ボディ+レンズが310gと軽いだけでなく、明るい開放値と広い画角で風景からポートレートに接写までこなし、ボケ具合も上々。2015年以降の本ブログ掲載写真の90%は、このレンズで撮ったものです。
望遠レンズ LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH. は、遠景や圧縮効果を狙いたいとき、車両を真横から歪みなく撮りたいときに使用してます。35mm判換算で90mm〜300mmながら、全長73mmで実測重量211gと小型軽量。渋峠ヒルクライムに携行したときも苦になりませんでした。
そして最近、ブツ撮り用として購入した単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 です。35mm判換算90mmは実際に目で見た形状に近く、歪みが少なくて立体感も維持した描写が可能。被写体が浮き上がる背景ボケも持ち味です。唯一の欠点はフードが別売なことかな。
そうそう、所有するレンズは全て保護フィルターを装着してます。特に単焦点広角パンケーキレンズはシャッターを切る頻度が高いので、レンズキャップを付けず保護フィルター剥き出しでサイクリング携行。このスタイルを8年ほど続けてるけど、故障などのトラブルは皆無です。
とはいえ、8年間のハードユースでマグネシウム製ボディは小キズだらけ。モードダイヤルの刻印は消えかけ、電子ファインダーのアイカップも紛失しちゃいました。パンケーキレンズの化粧リングも欠落。これらの補修とオーバーホールを兼ねて、パナソニック修理センターへ預けることにしました。
その間の代役&今後のサブ機として、中古の LUMIX DC-GF9 を購入しました。現行機ながら2万円という捨て値! M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 が似合うボディは DMC-GM5 より一回り大きく、重量は54g重い267g。有効画素数はどちらも1600万画素で、Web用途であれば必要十分ですね。
DC-GF9 はファインダーを装備してないので、走行中の撮影には不向き(慣れの問題?)な感じ。代わりに使用する背面モニターはチルト式で、自撮りや動画撮影で効果を発揮します。ただし、ホットシューや外部マイク端子がなく、拡張性は貧相という他ありません。
記憶媒体は DMC-GM5 がSDXCカード(スピードクラス4)であるのに対し、DC-GF9 はmicroSDXCカード(UHS-I UHSスピードクラス3対応)と高速化してます。これが発売年が3年違うことの技術格差か。MacへのWi-Fi転送設定に手を焼くところは変わらないけど。
DMC-GM5 と DC-CF9 のバッテリーパックは同形式で使い回しが可能。フル充電で2.5時間くらいしか稼働しないので、撮影する度に電源をON/OFFして節電するクセが付きました。予備バッテリーを1つ持ってれば遠出でも安心。中華製のパチモノを含めてローテーションしてます。
さて、saruveraが所有するマイクロフォーサーズ機の本体寸法とバッテリー込み実測重量を再確認すると、DMC-GM5 は全幅98.5×全高59.5×奥行36.1mmで213g、DC-GF9 は全幅106.5x全高64.6x奥行33.3mmで267g。本体だけでなくレンズも小型軽量なので、サイクリングのお供にうってつけ。
また、マイクロフォーサーズは市場が成熟してるので、価格がこなれてます。中古のタマ数も多く、撮りたい表現や用途に適したレンズを安価に入手可能。フルサイズにはない小型軽量さと値ごろ感、コンパクトカメラでは不可能な表現力、それらを両立してるのがマイクロフォーサーズです。
ちなみに、本ブログではJPEG形式で撮影した写真画像を1280x960pixにリサイズ後に圧縮し、アップロード時にWebP形式に変換して軽量化してます。ほら、驚異的な画素数なんてWebメディアには意味ないでしょ? 撮影者として重視すべきは、表現力とシャッターチャンスでありますよ。
サイクリングでカメラを携行するときは、袈裟懸けストラップが欠かせません。少し前に新調した ジェットグライド フォーカスプロ が秀逸。ドローコードを引くとストラップ長が可変するので、カメラを背部に回すときはタイトに、撮影時は自由度を高くする操作が、片手ワンアクションで可能です。
袈裟懸けストラップを使用する場合、背面に回したカメラのレンズが下向きだと、胸前に持ってきたときに撮影しやすいです。そこでカメラ底部に ピークデザイン PL-AN-1 アンカーマウント を装着し、そこにジェットグライドを接続。着脱の度にヘックスレンチを使うのは手間だけど、固定力は強固です。
そして三脚は、屋外用は SLIK スプリント PRO II 3WAY を、屋内でブツ撮りをするときは マンフロット PIXI ミニ三脚 を使用してます。ローアングル撮影もできる自由度の高さはもちろん、さっと使える手軽さが気に入ってます。こういう道具は、億劫にならず使えることが重要。
カメラ本体とレンズが増えたので、これらを収納する防湿庫 HOKUTO HS25L を調達しました。小型な25L容量とはいえ、マイクロフォーサーズ機だとカメラ2台とレンズ3本を収納しても余裕たっぷり。機器のコンパクトさが保管環境の整備性にも貢献してます。
最近は影の薄いマイクロフォーサーズだけど、本体もレンズも軽量小型で多彩。なればこそ “サイクリング先で遭遇した感動を色褪せないように残す” 用途に最適なカメラだと思いませんか? パンケーキレンズと組み合わせて背面ポケットに入れておけば、きっと走る楽しさが広がりますよ。
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