梅干しを作る過程(梅の塩漬け)で生まれる梅酢は、梅エキスが凝縮された天然調味料。まろやかな酸味で、クエン酸やポリフェノールなどの有機酸をたっぷり含んでます。それを捨てるなんてとんでもない! 梅酢の有効活用を模索した末、“らっきょうの梅酢漬け” を作ることにしました。
らっきょう自体は好物なんだけど、甘酢漬けはちょっと苦手。そこで、酒の肴になる梅酢漬け(買うと高い)を仕込もうという魂胆です。梅と同時期に出回るらっきょうを1kgほど買い込み、下ごしらえを開始。らっきょうは切り口からすぐ芽が出るので、買ってきた日に調理すべし。
らっきょう梅酢漬けのレシピ
らっきょう | 1kg |
粗塩 | 80g(らっきょうの正味の10%) |
ソーダガラス密封ビン | 2リットル容量(下漬け用) |
ソーダガラス密封ビン | 1リットル容量(梅酢漬け用) |
梅酢 | 2カップ |
無水エタノール(器具の殺菌用) | 適量 |
まずはボウルに水を張り、流水でらっきょうを洗って砂や泥を落とします。このときに、薄皮もペロッと剥いじゃって構いません。全ての実を洗って薄皮を取り除いたら、再びボウルにキレイな水を張って、やさしく洗います。正直、この下処理が一番面倒
で、洗ったらっきょうの先っちょと根っこを切り落とします。このとき、根っこのヘタを残すように切ると、漬けてもカリカリした食感が残るようです。また、水洗い時に取りきれなかった薄皮は、表面に軽く切り込みを入れてペロッと剥いじゃいましょう
下処理を終えたらっきょうは、再びキレイな水で洗ってから、ザルにあげて水気を切ります。水気が切れたら、風通しのいい日陰に新聞紙を広げ、その上にらっきょうを並べて陰干し。表面がペタッという感じになればOKなので、目安は1〜2時間ってとこでしょうか
らっきょうの表面が乾いたら重量を量り、その10%の粗塩を用意します。そしたら、大きめのボウルにらっきょうと粗塩を入れて、清潔な手で混ぜ合わせます。全てのらっきょうの表面に粗塩がまぶされるように、両手でときどきこするように、でも力を入れずに混ぜるとイイみたい
粗塩をまぶし終えたらっきょうは、密封ビンの中へ積み重ねるように入れていきます。ボウルに残った粗塩も残さず入れたらフタをして冷暗所に安置。そのうち水分が出だし、乳酸発酵がはじまります。発酵中はビン内にガスが溜まるので、1〜2日置きにフタを開けてガス抜きすべし(音と汁と臭気に注意)
らっきょうの乳酸発酵が進むと、こんな感じになってきます。水分が白濁して泡がブクブク。それでも、腐敗臭がしなければ無問題。辛い刺激臭がするのは漬かり不足のサインだし、酸っぱい匂いは乳酸発酵してる証です。漬かりが均一になるようにビンを軽く揺すりつつ、1カ月ほど様子を見守ります
こうして1カ月ほど過ごし、辛い刺激臭が消えたら下漬け完了。らっきょうを穴あきお玉ですくって水を張ったボウルへ移し、チョロチョロと流水にさらして塩分を抜きます。味見して塩気をほぼ感じなくなるまで塩抜き。我家は4時間くらい要しました
らっきょうの塩分が抜けたらザルにあげて水気をしっかり切り、消毒した密封ビンに詰めます。そこへ白梅酢を、全てのらっきょうが浸るまで注ぎ入れ、フタをして冷蔵庫へ。その状態で10日もすれば、らっきょうの梅酢漬けの完成です。梅の風味や酸味とカリカリした食感が、ビールに合うんだなあ
密封ビン入りきらなかったらっきょうは、別の密封容器で赤梅酢に漬けることにしました。これまた10日もすれば漬け上がり。完成の暁には、紅白のらっきょうの梅酢漬けを楽しめるって寸法です。こりゃあ、めでたい。ときどき容器をゆすって、らっきょうが赤く染まる日を待ちます
そして10日後、紅白のらっきょう梅酢漬けが完成。赤梅酢で漬けたらっきょうのほうが、ちょっとマイルドな味わいに仕上がりました。こりゃあ、ビールや冷酒が捗りますな。一方、白梅酢で漬けたらっきょうは、シャープな塩辛さと酸味。カレーライスのお供に適した味になりました
梅干し作りの副産物である梅酢を有効活用した “らっきょうの梅酢漬け” で、夏バテ予防とサイクリング後の疲労回復(という名目で晩酌)。先人の知恵から生まれた日本食で、高温多湿な夏を乗り切りたいと思います。ということで、らっきょうを肴にビールをもう一杯。
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