東京2020パラリンピックが終わり、都内に日常が戻ってきました。個人的にはモデルナ製ワクチンの2回目接種から4週間が経ったこともあり、そろそろ100km超ライドを再開できる頃合いかな。ということで9月中旬の連休中、東京2020の遺物を訪ねるサイクリングを決行しました。
未だ緊急事態宣言下という社会情勢を踏まえ、東京から越境しないルートを作成。蔵前を起点に、晴海選手村〜新国立競技場〜五輪ロードレース東京区間を走る計画です。ビッグプーリー化を果たしたチタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 を駆り、朝6:30に我家を出発。まずは築地方面へ向かいます。
日本橋浜町から新大橋通りを南下し、築地市場跡の南から環二通りへアプローチ。選手村と競技場を結ぶオリンピックロードでありますが、自転車には優しくありません。自転車は歩道通行を強制されるのだけど、隅田川の左岸で階段とエレベーターが待ち構えてます。多様性とは一体……。
環二通りはクルマ通行の効率化を図った設計らしく、自転車はことごとく歩道へ追いやられます。勝どきと晴海の間を流れる朝潮運河を渡る際も、自転車は歩道通行。しかも車道から歩道への段差が大きく、よく注意しないと転倒しそう。新道なので路面コンディションは良好なんだけどねえ。
などとボヤきつつ、黎明大橋の東詰を右折して選手村跡地へ向かいます。が、200mほど進んだ先で通行止めになり、未だ選手村区域に入れません。警備員さんに聞くと、施設の解体工事や改修工事が2021年末まで続くそうです。長引く工期、積み重なるコスト。これが
ともあれ、次の経由地・新国立競技場へ向かうとしますか。今度は自転車でも走りやすい晴海通りを西走し、まだ人影まばらな銀座を抜けて桜田門まで一気走。そして国会議事堂を左手に見つつ、三宅坂から青山通り(国道246号)に入ります。反対車線は皇居周回中のロードバイク多し。
都心といえども青山通りは結構な起伏があり、高ケイデンスでシャカシャカとペダルを回すうちに体が温まってきました。青山一丁目あたりでスタートから15kmを超え、脚の筋肉もほぐれてきた感じ(ストレッチをせずに出かけた代償を、後に払うことになりました)。
そして明治神宮外苑を通り抜け、新国立競技場前のシンボルモニュメントに到達。五輪開催期間の人出がウソのように静寂な空気を深呼吸した後、千駄ヶ谷トンネルを抜けて原宿駅前へ。そこから代々木公園通り〜井の頭通りを西走し、明大前から甲州街道(国道20号)へ入ります。
甲州街道は交通量が多いけど、道幅が広いので自転車も走りやすいですね。途中で数台のロードバイクと集団走行になって車速も上昇。特に仙川あたりは道が新しくなってスピードが出ますね。おかげで、渋滞がはじまる国領まで40km/h台で走ることができました。そろそろ東京スタジアムだ!
東京スタジアム西側のスタジアム通りを北上し、武蔵野の森公園の北辺へ。ここから五輪ロードレースのコースを辿る走行を開始します。時刻は9:15を迎え、かなり日差しが強くなってきました。なあに、灼熱の五輪を味わうにはイイ天候さね。などとうそぶきながらMag-onを補給し、走行を再開。
まずは緩勾配の人見街道を東進し、基督教大裏門交差点を左折して東八道路へ。かつてゼロヨン族で賑わった道路は、今も車速を上げて走りやすいスプリント区間であります。気分上々で多磨霊園の西側まで駆け抜けて、前原交番前交差点から小金井街道を南下します。
ところが、この小金井街道は幅狭で渋滞しやすく、ストレスが溜まります。住宅地を抜ける道路だから仕方ないと割り切って、続く桜通り〜けやき並木通りを通り抜けるしかありませんな。早くも空になったドリンクボトルに給水しつつ、府中駅の南にある大國魂神社を目指します。
五輪で選手が続々と駆け抜けた大國魂神社の参道は、原則として自転車走行が禁じられてます。ここは降車して、自転車を押し歩いて進むべし。参道の並木を吹き抜ける風が心地よく、火照った体をクールダウンしてくれます。実質スタート地点の是政橋を前に、英気を養いましょう。
そんな参道を進むと、右手に手水舎が見えてきます。五輪ロードレースの中継映像では、手水舎の脇を通過する選手集団に続いて吐水龍を大写しにするカメラワークが印象的でしたね(男子・女子とも公式映像の0:26:10あたり)。This is Oriental って感覚なのでしょうか。
さて、大國魂神社を出て府中街道を南下。東京競馬場を左手に見ながら進むと、五輪ロードレースの実質スタート地点・是政橋が見えてきました。武蔵野の森公園からの10km走行を終え、気分はアンナ・キーセンホーファー選手とばかりにスタートダッシュを決めてアタックを開始!
が、自他ともに認めるヒル嫌イマーのsaruveraに、五輪コースを攻略できるわけがありません。城山通りの登坂路で早くもインナー×ローを使い、ロードバイク諸氏に抜かれまくり。是政橋から1.5kmほどで、キーセンホーファー選手とは逆ベクトルの単独走行に相成りましたとさ。
レースコースに突入した途端、“屈指のヒルクライムコース” と言われる五輪コースの顔が現れ、容赦なく脚を攻めてきます。いやいや、まだ序盤もいいところ。ここで走行を断念するわけにはいかぬ。呪詛のような自問自答を続けながら、尾根幹を中心とした多摩丘陵を巡る[後編]に続きます。
ご感想をどうぞ