低リスクなビッグプーリー化を TOKEN TK1724 で狙う

saruvera

東京五輪ロードレースから1カ月。いまもsaruveraの記憶に強く残るのは、アンナ・キーセンホーファー選手の活躍とそれを支えた哲学的思考、新城幸也選手のゴール手前で繰り広げられた寸劇のような一幕、そしてビッグプーリー装着率の高さです。ここまで浸透してるのだなあと。
 
ビッグプーリー化の目的はベアリングやチェーンの抵抗軽減で、これによってペダリングが軽くなるとされてます。その一方でリスクも多々あることから手を出してこなかったけど、五輪観戦で火が着いちゃった。できるだけ低リスクな方法を思案した末、TOKEN TK1724-TBT に辿り着いた次第です。


 
TOKEN TK1724-TBT ビッグプーリーキットTOKEN TK1724-TBTの実態は、やや大径なガイドプーリーとテンションプーリーの2枚のみ。一般的なビッグプーリーと異なり、プーリーケージは純正品を使用することでリスク低減を狙ってます。専用ケージを伴わないのでビッグプーリーとしては安価だけど、特有のケレン味はありません。薄味な外観。
 
TOKEN TK1724-TBT ベアリングTOKEN TK1724-TBTは、TBT(チタンコーティングを施したレース&コーンとセラミックベアリング)を採用することで抵抗軽減を実現してるそうです。なるほど、指で弾いたときの回転は滑らかで、シールドベアリングを採用する ULTEGRA RD-R8050 純正プーリーより回転抵抗が少ない感じがします。
 
TOKEN TK1724-TBT と シマノ純正プーリーR8000系の純正プーリーと TOKEN TK1724-TBT のサイズを比較。ガイドプーリーは純正の11Tに対して、TK1724-TBTは12Tと控えめ。これは変速性能の低下を防ぐためだそうです。一方、テンションプーリーは純正11Tに対して、TK1724-TBTは14Tと大きめ。実測重量は純正より3g重い23gでした。
 
TOKEN TK1724-TBT ビッグプーリー社外プーリーはシマノ純正のようなセンタロン機構(変速を滑らかにする左右のガタつき)がないと批判されるけど、それは過去の話。シマノは11速化に伴ってセンタロン機構を撤廃してます。TK1724-TBTの対応モデルはR9100系/R8000系/R7000系なので、昔話を気にする必要は一切なし。
 
後輪を外してプーリー交換しやすくするそれではビッグプーリー化の作業をはじめますか。まずは車両を天地逆さまにして後輪を外し、チェーンもフロント側から落とします。こうすることでプーリーケージの内側に手が届きやすくなり、作業中にチェーンテンションの影響を受けてプーリーが飛んでっちゃうことを防げます。
 
ガイドプーリーの固定ボルトを緩めるで、テンションプーリーを前方に押しつつ、プーリーケージの内側からガイドプーリー固定ボルトを緩めます。ボルトを引き抜いたらプーリーケージをスライドさせ、ガイドプーリーを摘出。そしてTK1724のガイドプーリーを “回転方向を間違えないように” 装着し、ケージを被せて固定ボルトを仮締め。
 
テンションプーリーの固定ボルトを締めるお次はテンションプーリー。今度はプーリーケージの外側から固定ボルトを緩め、ケージをスライドさせてプーリーを摘出します。そしてTK1724のテンションプーリーを正しい回転方向で装着し、ケージを被せてボルトを仮締め。最後に両プーリーの固定ボルトを、指定トルクの3Nmで締めます。
 
リアデリレイラーのアジャストボルトで変速調整プーリーの交換作業が終わったら、後輪とチェーンを戻して動作検証。慎重にペダルを回しながら異変がないことを確認し、変速調整に着手します。変速のスイートスポットが少し狭くなった感じがするので、リアディレイラーのアジャスターを微妙に回転。結構すんなりと変速調整が済んじゃった。
 
TOKEN TK1724-TBTでビッグプーリー化(アウタートップ)TOKEN TK1724-TBTによってビッグプーリー化を果たしたリアデリレイラーを、アウタートップの状態で確認。逆S字に導かれるチェーンの曲線が、いくらか緩やかになりました。はい、ビフォア&アフターを執拗に見比べないと分からないレベルで。そこまで大きなプーリーじゃないから仕方ないわな。
 
TOKEN TK1724-TBTでビッグプーリー化(アウターロー)アウターローでは、こんな感じ。ちなみに、金属製プーリー特有のシャリシャリ音は微かに聞こえる程度で、全く気になりません。低リスクの裏返しは、変化が少ない=地味ということですな。こりゃあ本人しか変化に気付かない自己満足の世界だ……。
 
そんな疑念を振り払い、いざ荒川CRでテストライドであります。見せてもらおうか、ビッグプーリーの効果とやらを! うーむ、確かにペダリングが軽くなった気がしないでもない。特にシッティング登坂は、ケイデンスが3〜4rpmくらい高まったかも。これ、プラシーボ効果じゃないよね?
 
40kmほど試走したところで、これ以上の効果は体感できませんでした。ビッグプーリーの効果を期待しすぎると、肩透かしを喰らいますぞ。TK1724-TBTの耐久性は時間をかけて検証する必要があるけど、プーリー交換時の選択肢としてはアリかな。大きなリスクを冒すことなく自己満足に浸れますよ。
 

ご感想をどうぞ

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

SHARE

低リスクなビッグプーリー化を TOKEN TK1724 で狙う