ヘルメットやウェアから工具まで、サイクリングやカスタムに欠かせないアイテムの数々をレビュー
ときどきポタキャン(デイキャンプを目的にしたポタリング)をするうちに、どうしても解消したい問題が出てきました。キャンプができる場所は基本的に不整地で、降車して歩くこともしばしば。これが常用してるビンディングシューズと最悪の相性なんですよ。
saruveraが常用してるビンディングシューズはCFRTP製ソールの fi’zi:k TEMPO OVERCURVE R4 で、大きなSPEEDPLAYクリートを装着してあります。そもそも歩くことを度外視した仕様なので、不整地ではヨチヨチ歩きに加えて滑りまくりのコケまくり。根本的な解決が必要です。
そこで、不整地で歩くことを想定したビンディングシューズを履けるようにするため、ビンディングペダルの CRANK BROTHERS EGGBEATER 1 をヤフオクで落札。定価の半値ながら20km程度しか使ってない美品で、傷が少ないクリートも付属してました。
とはいえ、ペダルの仕様が変わればポジションも再調整する必要があるので、頻繁なペダル交換はしたくありません。必然的にペダルを換装する車両は、サブ機の GIOS FELUCA になります。ちなみに従来の SPEEDPLAY ZERO から片側35gの重量増。
GIOS FELUCA のクランクセットはクラシカルなスタイリングの ULTEGRA FC-6600 に換装してあるため、CRANK BROTHERS EGGBEATER 1 とのマッチングは上々。ただ、QファクターがSPEEDPLAYより1mmくらい広くなったので、細かい調整と慣れが必要だなあ。
このペダルに合わせるシューズとして、14年くらい前に履いてた SHIMANO SH-MT22 を下駄箱の奥から引っ張り出してきました。CRANK BROTHERS のクリートがそのまま使える2穴のSPDシューズ。使用歴が浅かったので、爪先にカビが生えてる他は悪くない状態です。
SHIMANO SH-MT22 のアウトソールは硬いゴム製で、ゴツいブロック状のトレッドパターンになってます。まるでトレッキングシューズみたい。クリートが地面に接触しにくい構造なのも好都合。不整地の歩行性を期待せずにはいられませんな。
爪先の表面に生えてたカビは、使い古しの歯ブラシでこすって落としました。一発で落ちきらなかった残党も、除菌アルコールをかけてブラッシングするうちに一掃できましたよ。洗剤で洗うことも覚悟してたので、大仕事にならずクリーンアップできて助かった。
そして CRANK BROTHERS のクリートを装着。クリートより左右のアウトソールのほうが高さがあるので、クリートが地面と接触しにくいのです。それでいてビンディングのキャッチやリリースに一切の支障なし。SPEEDPLAYに慣れた者からすると感心しちゃう構造です。
シューズを再生したついでに遊び心も加えたくなり、靴紐を CAMP GREEB 3mmガイロープ へ交換することにしました。カモ柄のうちの1色が反射材になってるので、被視認性の向上にも有効かな。まあ、ソロテント用ガイロープの余剰分を少し使っただけなんですけどね。
SH-MT22 の靴紐をカモ柄ガイロープに交換したら、外見に軽快感が出ましたね。なお、このガイロープは靴紐と比べてコシが強く表面が滑りやすいので、結びが解けにくい二重蝶結びにしてます。紐のリボン部分を編んだ部分に差し込んでおけば、走行時に引っ掛けることもないでしょう。
14年前、自分の足に合うSPDシューズでは最安値だったという理由で購入した SHIMANO SH-MT22 はバックスキン調アッパー表皮の質感も悪くなく、普通にキャンプシューズとしてアリじゃない? 長らく死蔵してたくせに、今さら廃番を惜しんじゃいました。
そして、ペダルを CRANK BROTHERS EGGBEATER 1 に換装した GIOS FELUCA は今後、自転車キャンプ用ミニベロとして姿を変えていくことでしょう。どこまでグラベルロードに寄せることになるのか。当面の目標は、1泊分のキャンプ道具を積載できる車両にすることかな。

4〜5年ほど使ってる
ちなみにメスティンのハンドルは、
携行時は、メスティンの中にキャンプギアを詰めまくり。カップを2つ、アルコールストーブと燃料類、着火器具、ナイフ代わりの肥後守、コーヒードリップバックホルダー、基本的な調味料など。1つ1つのギアは軽いけど、これだけ集積するとずっしり重い。
常備してる2つのカップのうち、左側の
熱源は
その他の器具は左から、湯を細く注げる
あとはフライパン代わりの
メスティンとグリルプレートをスタッキングするときは、このように間にダイソーのワックスペーパーを挟んでます。その目的は、グリルプレート表面のフッ素コートが傷付いたり、使用後のグリルプレートでメスティンの底面が汚れたりを防ぐため。つまりは後々の手間を省くための小細工です。
一方、
カトラリーは相当数を試した結果、
ここまでに紹介したキャンプギア一式をスタッキングし、
で、このギア入り巾着を90°倒してサドルバッグ
こうしてギリギリ3回ロールアップした FAIRWEATHER Seat Bag Mini の総重量は1205g。パツパツです。これ以上はモノを詰めたくありません。でも、キャンプギア一式は携行できたとして、肝心な食材はどうすんの? それはですね……。
食材は
キャンプギアを詰めた FAIRWEATHER Seat Bag Mini を、チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 に装着。その後端には、
横から見た LIGHTCYCLE Ti451 ポタキャン仕様。サドルバッグの前後長が265mmに収まったので、あまり左右に振られることなく走行できます。欠点はメスティンの中身がガチャガチャと音を立てることでしょうか。あっ、予備チューブや工具を積載してなかった!
敢なく寿命を迎えた SMITH Reactor MK II の無惨な姿。左レンズは調光フィルムが剥がれた状態、右レンズは下端に気泡が見えます。ほら、こびりついた汚れっぽいでしょ? とはいえ生産終了モデルで交換レンズも高価だったので、ならばと OGK Kabuto 122PH を購入した次第です。
OGK Kabuto 122PH はポリカーボネイト製レンズそのものが調光性能を備えてるので、軽量で耐久性も期待できます。経年劣化で調光性能が減退するのは宿命だから仕方ない。表面は撥水撥油レッドミラーコーティングが施してあり、強い日差しでも視界は良好。ただし、夕日を真正面にすると厳しい。
はじめて OGK Kabuto 122PH を着用した際、一眼式ならではの広い視界に感心しました。隅々まで歪みもなく、高い安心感があります。なお、レンズ内側は防曇フィルムで覆われてるそうで、秋になれば効果を実感できるかな。数年で剥がれないか気がかりではありますが。
ちなみに OGK Kabuto 122PH はアジアンフィット専用設計で、レンズ形状は真円の一部を削ぎ取ったように緩やかな弧を描いてます。軽量でしなやかな超弾性樹脂フレームとの相乗効果で、すごく自然な掛け心地。実測重量32gと軽いこともあり、着用してる意識が薄くて負担を感じません。
ノーズパッドは内部にメタルフレームが入ってるので、かなり細かく調整できるうえ、そのポジションを留めてくれます。レンズ下端が頬に触れないギリギリの位置に調整しておけば、もがいてもズレることなく着用してられます。ズレない快適さは、とても大切よね。
OGK Kabuto 122PH は、簡単にレンズとフレームを着脱できます。調光レンズはそんなに寿命が長くないので、今のうちに予備レンズを購入しておこうかな。今夏も新色(クリスタルクリア)が登場した製品だから、しばらくは部品供給も続くだろうけど。
なお、OGK Kabuto 122PH には手触りのいいソフトケースと肉厚のクリーニングクロスが付属。なかなか使い勝手の良い付属品です。また、別売オプションで度入りレンズ装着用のインナーフレームも用意されてます(saruveraはコンタクトレンズ派なので不要)。

茶碗には、やはりチタン製の
茶筅はモンベル野点セット付属の野点用を継続使用し、野点用の茶巾と茶杓を新調しました。また抹茶を入れる棗は、セリアのアルミ製クリームケースに代替することで思いっきり小型化。抹茶を携行すると玉状に固まっちゃうのだけど、これを防ぐ方法を知ってる方いませんか?
湯沸かしの熱源は、自作の超小型アルコールストーブ。
こうして整えた野点用の茶道具で、お茶を点ててみました。15ml程度の燃料用アルコールで、200mlの湯を沸かせることが判明。ただ、EVERNEW GubiGubi は薄い造作なので、持ち手がなかなかに熱いです。お茶を点てる前の差水を多めにしないとだなあ。
次に、これらの茶道具が全て EVERNEW Ti Mug pot 500 に収容できるかをチェック。結果は “茶筅を無理矢理に突っ込めば収まる” 状態で、茶筅の穂の形が崩れちゃいました。これでは、お茶をおいしく点てることができません。あー、惜しい。
ならば茶筅の全長を短くすればイイじゃない。ということで
今度は無理なく茶筅が EVERNEW Ti Mug pot 500 に収まりました。これら野点用の茶道具一式の総重量は205g。抹茶や燃料用アルコールの量で増減するけど、軽量でコンパクトにまとめられました。この茶道具一式をステムバッグに収納すれば “シン・野点ライド装備” の完成です。
で、手持ちの
ならば、ひと回り大きいステムバッグを用意するまでだ。
FAIRWEATHER Stem Bag+ の底面はメッシュになってるので、水が内部に溜まることがありません。この構造は、積極的に排熱したいモバイルバッテリーの収納にも適してるかも。また、側面のメッシュはポケットになってるので、ちょっとした小物を入れられます。
FAIRWEATHER Stem Bag+ に EVERNEW Ti Mug pot 500 を入れると、図ったようにシンデレラフィット。バッグ内でマグポットが暴れないので、携行するときの疲労が少なくて助かります。野点ライドは借景地を求めて走行距離が増えやすいので、疲労の材料が減ることはありがたい。
一方で高さには余裕があり、EVERNEW Ti Mug pot 500 の上にセブンイレブンのきんつばを2つ収容できました。これなら FAIRWEATHER Stem Bag+ の上部フードを活用するまでもなく、練り切りや
茶道具一式を収めた FAIRWEATHER Stem Bag+ を GIOS FELUCA に装着してみました。ストラップでステム・ハンドル・ヘッドチューブまたはステアリングコラムの3箇所に固定できるので、バッグがグラつく気配なし。これにて “シン・野点ライド装備” の完成なり。
ロールトップを2回折った
ガバっと大きく開く ADEPT ROLLUP の開口部は、止水ファスナーに覆われてます。スライダーにはバンジーコードが装着されてるので、グローブをしたまま操作が可能。ただし、バンジーコードはロールアップ時に内側へ巻き込んでおかないと、走行中に引っ掛けて事故を引き起こすかも。
ADEPT ROLLUP にはロールトップを固定する前後方向のストラップ(テールライト固定用ストラップ付き)と、サドルレールに通すための左右方向のストラップ(バックルとD環付き)が設けられてます。後述するけど、この左右方向のストラップが相当な曲者でねえ……。
ADEPT ROLLUP を BRUNO SKIPPER に装着する前に、サドルバッグへ収納する携行品を揃えました。ポタリング中にパンクしても、どうにか帰ってこられる程度の装備です。予備チューブは20インチ406用の
タイヤレバーはお馴染みのPanaracer製。BRUNO標準ホイールと
CO2インフレーターは、saruveraが気に入ってる
工具セットは、何かのイベントの景品でもらったミニマルチツール。10年くらい書棚の奥で未開封のまま眠ってたブツで、収納袋のタグにSCOTTのロゴが入ってます。他にもマルチツールはあるのに、相方はコレが気に入ったようで譲歩せず。小さすぎて使いにくそうだから死蔵してたのだぞ。
ポタリング中に駐車するときのワイヤーロックは
ADEPT ROLLUP はテールライト固定用ストラップが付いてるので、そこにクリップ付きセーフティライトの
ADEPT ROLLUP の説明書にはストラップをサドルレールの左右外側から通してバックルを留めると書いてあるのだけど、それだと固定力が弱すぎてグラグラします。そこで、バッグの天地を逆さまにして、ストラップをサドルレールの内側から通してバッグ下でバックルを留めました。
ちなみに、LIGHTCYCLE Ti451 に装着してる
ADEPT ROLLUP は BRUNO SKIPPER に似合う外観をしてるだけに、ガッチリ固定できないことが残念でなりません。このサイズのロールトップ式サドルバッグは、
DMC-GM5 は手のひらにすっぽり収まるミラーレス一眼カメラ。マイクロフォーサーズはフルサイズよりボケないという声もあるけど、そんなものはレンズと撮り方でどうにでもなります。スペックよりシャッターチャンスを逃さない機動性を重視する人向け(だから不人気で後継機なし)。
saruveraの定番は、単焦点広角パンケーキレンズ
望遠レンズ
そして最近、ブツ撮り用として購入した単焦点レンズ
とはいえ、8年間のハードユースでマグネシウム製ボディは小キズだらけ。モードダイヤルの刻印は消えかけ、電子ファインダーのアイカップも紛失しちゃいました。パンケーキレンズの化粧リングも欠落。これらの補修とオーバーホールを兼ねて、パナソニック修理センターへ預けることにしました。
その間の代役&今後のサブ機として、中古の
DC-GF9 はファインダーを装備してないので、走行中の撮影には不向き(慣れの問題?)な感じ。代わりに使用する背面モニターはチルト式で、自撮りや動画撮影で効果を発揮します。ただし、ホットシューや外部マイク端子がなく、拡張性は貧相という他ありません。
記憶媒体は DMC-GM5 がSDXCカード(スピードクラス4)であるのに対し、DC-GF9 はmicroSDXCカード(UHS-I UHSスピードクラス3対応)と高速化してます。これが発売年が3年違うことの技術格差か。MacへのWi-Fi転送設定に手を焼くところは変わらないけど。
DMC-GM5 と DC-CF9 のバッテリーパックは同形式で使い回しが可能。フル充電で2.5時間くらいしか稼働しないので、撮影する度に電源をON/OFFして節電するクセが付きました。予備バッテリーを1つ持ってれば遠出でも安心。中華製のパチモノを含めてローテーションしてます。
サイクリングでカメラを携行するときは、袈裟懸けストラップが欠かせません。少し前に新調した
袈裟懸けストラップを使用する場合、背面に回したカメラのレンズが下向きだと、胸前に持ってきたときに撮影しやすいです。そこでカメラ底部に
そして三脚は、屋外用は
カメラ本体とレンズが増えたので、これらを収納する防湿庫
2015年9月から長らく愛用してきた KASK MOJITO は、チンストラップのレザー表面が剥げた以外に損傷なし。キノコらないスタイリングはもちろん、軽量で通風性も良好なこともあり、他の選択肢はないレベルで気に入ってる愛着のあるヘルメットだけど、耐用年数を考えて退役。
そんな KASK MOJITO と比べて、第3世代の KASK MOJITO3 は丸みを帯びたダルなシルエットになり、かなりレーステイストが薄れました。これはプロレースでも使用される上位モデルとの差別化という側面と、衝突安全性をWG11適合まで高めた設計に起因するものなのでしょうね。
購入した KASK MOJITO3 CAMO は、Black/Olive greenのMサイズ。アースカラー全盛の現代において、ツヤありダズルカモフラージュ(幻惑迷彩)が放つアンチっぷりに惚れました。形状を正確に把握できない迷彩のおかげで、初代 MOJITO に比べてぼってりしたシルエットも気になりません。
Y字型の支柱が印象的な KASK MOJITO3 の後頭部は、初代 MOJITO と比べてエアアウトレットが大型化。内部エアフローとの連続性も高められ、積極的に頭部の熱気を排出する構造になってます。ヘルメット内を流れる風が体感できる通気性なので、冬は防寒性のあるインナーキャップが必須。
KASK MOJITO3 の内部を見ると、インナーパッドと平行して深く掘られた内部エアフローが、前頭部のインレットから後頭部のアウトレットまで続いてます。安全性向上のために発泡フォームの厚さが増したことを巧みに利用した設計ですね。すごいな、イタリア人。
ちなみに KASK MOJITO3 のインナーパッドは着脱可能な1枚もので、ソフトなクッション性があります。結構な厚みがあり、額から頭頂部にかけて頭がパッドに包まれてる感じ。吸汗性と通気性に優れた抗菌パッドだけど、人によっては拘束感が気障りになるかも。
フィッティングシステムは、上位モデルと同じ構造。上下に可動するクレードルとダイヤル式アジャスターで構成されてます。ダイヤルを風布(後頭部の生え際より少し上のくぼみ)と接する位置に配してから締めると、前後左右360°方向から頭が固定されます。
チンストラップはKASKお約束のエコレザー製。ここが汗にまみれてボロっちくなったらヘルメットの買い替え時、という冗談を聞いたことがあります。肌触りはイイんだけどねえ。また、細身になったバックルの耐久性にも一抹の不安。壊さないように注意して扱わねば。
特筆すべきは、格段に向上した製品クオリティ。初代 MOJITO はシール貼りでツートーンカラーを表現してた(しかもズレてる)のに対し、MOJITO3 はアウターシェル自体に着色したうえでコーティングしてあります。気になるバリもなくて驚きました。え?日本製だったら当たり前の話だって?
そうそう、KASK MOJITO3 の後頭部は支柱に余計な突起物がないので、セーフティーライトを安定して装着できます。
saruveraが購入したMサイズの KASK MOJITO3 の実測重量は236gで、初代から15g増加。衝突安全性を高めたことで肉厚になったから仕方ないか。そう思いながら着用すると、やはり初代より若干の重さを感じます。75kmほど試走したら、首や肩が少し凝ったぞ……。
さて、かつて KASK MOJITO が好評を博した大きな理由に “頭がキノコらない” ことがありました。対して KASK MOJITO3 は側頭部が張り出して丸みも増したので、“そこそこキノコるけど気にすんな” って具合。それと引き換えに、帽体のボリュームが増したことで小顔効果はあるっぽい。