あまり使うことがないんですよねえ、ハンドポンプって。パンク時に交換したチューブへのエアー充填は、もっぱらCO2インフレーターで済ませる面倒くさがり屋なもので。念のためジャージ背面ポケットに LEZYNE POCKET DRIVE を携帯してるけど、これまで実戦での出番なし。
そもそも LEZYNE POCKET DRIVE の実質的な限界は85psi/5.8barで、これ以上は重くてポンピングできません。せめて110psi/7.5barは充填できないと意味がないと思い、昨秋に Panaracer BMP-23AEZ を調達しました。ただ、それっきり半年以上も実戦投入してない理由がありまして……。
Panaracer BMP-23AEZ は、一斉を風靡した “例のポンプ” と同様の圧縮機構を備えてると思しきハンドポンプ。最大の特徴は高圧でもポンピングがあまり重くならない(ただしポンピング回数は多くなる)ことで、カタログでは最大90bar/130psiの充填が可能と謳ってます。
収納時の Panaracer BMP-23AEZ は全長170mmとコンパクトな部類。エアーを充填するために展開すると、ホースを含む全長は最長430mmに達します。数百回ポンピングするときのホールド性を考えれば、最低でもこのくらいの全長は必要ですかね。操作はしやすいです。
Panarecer独自のワンタッチ口金を装備。仏式の場合、青色の口金にバルブを挿し、パチンッと赤色の口金が飛び出るまで押し込むことでロックされます。この加減を知らない人から “すぐに抜けちゃう” とマイナス評価される機構だけど、クセを把握すれば使いやすいです。
結構なスグレモノなのに実戦投入できないでいる理由は、収納時のサイズにあります。LEZYNE POCKET DRIVE と比較すると全長が30mm長く、ボディ直径が4mm太いうえにホース外出し。これが手で握ったときに数値以上の大きさを感じさせ、携帯を躊躇させるのです。ちなみに重量差は28g。
両者をジャージ背面ポケットに収納した場合、LEZYNE POCKET DRIVE はポケット内にスッポリ収まるけど、Panaracer BMP-23AEZ は30mmくらい飛び出ちゃいます。前傾が深いライディングフォームなので、この飛び出しから落下しそうで不安。これが実戦投入できない理由です。
そうはいっても、400回ポンピング(4分40秒)で20×7/8(23-451)タイヤを116psi/8barに至らせる性能は捨てがたい。特に時間と場所に制約のあるブルベはハンドポンプの必要性が高まるわけで、フレームバッグに Panaracer BMP-23AEZ 必携と考えてます。
LEZYNE POCKET DRIVE と Panaracer BMP-23AEZ で、高圧ポンピングにどのくらい差が出るのかを比較してみました。116psi/8barからの “追いポンピング” の重さが伝わるでしょうか。ハンドポンプの選定基準は携行シーンによって変わるので、トレードオフ事項を決めておくべきですね。
ということで日頃のサイクリングは相変わらず、サドルバッグに常備してる LEZYNE CONTROL DRIVE で凌ぐことになるでしょう。ボンベ込みで84gと軽量だし、エアー充填の手間が少なくて済むし。エアー注入量をダイヤル調整できる点も気に入ってます。
優れた性能ながら微妙なサイズ感のために実戦投入できなかったハンドポンプ Panaracer BMP-23AEZ は、ようやくブルベという活躍の場を得ることになりました。性能を活かすのも利用シーン次第ってことですな。まあ、パンクしないのに越したことはないけどね。
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