仕様確定から10カ月、ついに チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 が走行可能な状態になりました。いくつもの作業ミスを犯しては乗り越えて、三度目の正直となるシェイクダウンを敢行。実走しないと見えてこない問題や課題を洗い出しつつ、ポテンシャルを体感してみます。
なお今回のインプレッションは、クロモリ製ミニベロ GIOS FELUCA(トップチューブ長510mm)に乗り慣れた身長180cmのミニベロおやじによる所見であることを踏まえてお読みください。700Cロードでは当たり前のことに感嘆する場面が多々あります。
小松川橋の西詰から荒川右岸CRへ入って LIGHTCYCLE Ti451 のシェイクダウンを開始。風速5km/sの逆風が吹き付ける “プチ荒川峠” を呈してます。なあに、逆風の中で走ってこそポテンシャルを測れるってものさ。徐々にペースを上げて感触を確かめながら、扇大橋まで約11kmのテスト走行を行います。
トップチューブ長565mmの巨大フレームは、想像以上にsaruveraの体格とマッチ。FELUCAよりハンドルとサドルの落差があるのに、体に無理を強いる感じがありません。FELUCAのような窮屈さがなく、ごく自然にパワーを入力できます。世の人々は、こんなに楽なフォームで乗ってたのか!
スージーステム と ジェイカーボン グランモンロー SL がもたらすハンドルポジションは秀逸で、思ってた以上に下ハンドルが使いやすい。ここまで下ハンを多用するのであれば、スプリンタースイッチはドロップ部に配置すべきか。となれば、空席となるフラット部にサテライトスイッチを増設したいなあ。
LIGHTCYCLE Ti451 の乗り味はクロモリより芯があるけど粘りを感じ、アルミのような跳ね返る固さはありません。アルデンテと表現すべきでしょうか。また、FELUCAで悩まされた神経質な突き上げがありません。路面からの衝撃を TRIGON RC55 フルカーボンフォークが緩和してるようです。
ショートサドル fi’zi:k ARGO VENTO R3 は、意外と着座位置を前後移動できる余地がありました。平地では後部、登坂では前部に、スルッと腰を移動しやすい。ただし、サドル位置そのものを、もう少しだけ前へ出したほうが合うかな。ああ、また規定より前へ出すことになるのか……。
非真円チェーンリング RIDEA ROAD POWERING Lami Flow には、すぐに慣れました。そして、明らかに登坂が楽。すごいぞ、このインナー。一方、アウターは楽することを許さない鬼。ケイデンス90rpm以上では伸びるような加速を体感できるけど、それ以下だとリズムが合わなくて重いだけです。
451タイヤが406に見える巨躯ゆえのロングホイールベースが幸いし、荒川峠の中でもミニベロらしからぬ直進安定性を味わえました。反面、車止め柵の通過は手間取りますが。ともあれ、風速5mの逆風下で30km/h以上を維持できたことは、悪くないスタートではないでしょうか。
チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 の初走行を終え、目論見どおりレースや高速巡航で活躍するミニベロになってる手応えを得られました。ただし、ポテンシャルを十分に発揮するための要求エンジンスペックは、想定の遥か上空。かなり走り込まないと、宝の持ち腐れから脱せないぞ……。
まずはシェイクダウンで発見できた調整余地を修正し、Di2のチューニングが済んだら、100km超ライドやヒルクライムで検証してみます。そこまで完了したら、要望をいただいてる “お披露目会&試乗会” ですかね。コロナ沈静化が前提だけど、十分な感染対策を施して開催しないとなあ。
今回のシェイクダウンをRelive動画で振り返る
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