ブルベの携行品は思った以上に多いもので、これらの取捨選択と携行方法の悩みが尽きません。とはいえ、できればサドルバッグは最小サイズに留めたいところ。重心が高くなると不安定になるし、そもそも頻繁に物を出し入れできないからです。ならば、フレームバッグはどうだろう。
トップチューブ下に装着するフレームバッグであれば、それほどの高重心化を招かずに済みます。その反面、左右幅が広いとペダリングの邪魔になり、上下高があるとドリンクボトルの着脱を妨げる厄介さもあります。そこで、無難な選択との評価が多い TOPEAK MIDLOADER 4.5L を試してみました。
TOPEAK MIDLOADER は、3L/4.5L/6Lの3サイズがラインアップされてます。購入したのは4.5Lのグリーンで、全長460mm×全高120mm×全幅60mmというもの。重量は実測184gと軽く、その割にしっかりした造作です。トピークらしい質実剛健さと高コスパっぷり。
TOPEAK MIDLOADER は左右両側に開口ファスナーが設けられ、左側は前方から開くように、右側は後方から開くようになってます。内部に仕切りは一切なく、収納センスが問われる仕様。ちなみに、生地内側は防水コーティングが施され、さらに全ての縫目が止水テープで覆われてます。
TOPEAK MIDLOADER の開口ファスナーは、雨水が付着しにくいようフラップで覆われてます。また、スライダーは長めのジッパータブが付いてるので、グローブ装着時でも操作性は良好。スライダーの引き具合は軽めで、あまり力を入れなくても開口できます。
ファスナー前止を覆う部分のフラップには、ケーブルガイドが設けられてます。バッグ内に収納したモバイルバッテリーからUSBケーブルを外出しする場合、ケーブル孔から引き出すより融通が効くギミックに感じられました。防水性は劣るかもしれないけど。
TOPEAK MIDLOADER のフレーム装着具は、トップチューブへ3本のベルクロ式ストラップと、シートチューブおよびダウンチューブへのバックル式ストラップの計5点留め。バックル式ストラップには板ゴム製のバンドループ(遊環)が設けられ、ストラップのバタつきを防いでます。
一方、フレームバッグに最低でも入れたい携行品は、モバイルバッテリーとUSBケーブル、撥水ウインドブレーカー、予備チューブ、ハンドポンプ、サコッシュ、予備のCCDドリンク粉末、そして輪行袋。これらを詰めたバッグ重量は1,560gになっちゃいました。戦犯は760gもある輪行袋だな。
ともあれ、上記の携行品を収納した TOPEAK MIDLOADER 4.5L を LIGHTCYCLE Ti451 に装着してみました。結果、トップチューブ長565mmのフレームにはバッグ全長が寸足らずで、ハンモックのごとく左右にプラプラ。もっと全長が長く、かつ全高を抑えたフレームバッグが望ましいなあ。
トップチューブ上方から見ると、この膨れっぷり。輪行袋の大きさが災いし、TOPEAK MIDLOADER の全幅が110mmに広がっちゃいました。おかげで脚に接触しまくってペダリングしにくい! これを改善しない限り実戦投入できません。やはりボトルネックは輪行袋か。
一方、シートチューブに装着したドリンクボトル(CAMELBAK ポディウムチル 620ml)とのクリアランスは、ゼロに等しい状態。横抜きボトルケージでなければドリンクボトルの抜き差しは困難です。いや、横抜きボトルケージでもアクセス性は確実に落ちました。
ダウンチューブに装着したドリンクボトル(CAMELBAK 旧型ポディウムアイス 620ml)は、完全にフレームバッグと接触。こちらも横抜きボトルケージだけど、手を突っ込みにくくなりました。また、ボトル前方で手とストラップが接触するため、走行中の抜き差しに恐怖を覚えます。
基本性能は良好に思えた TOPEAK MIDLOADER 4.5L は、どうにも LIGHTCYCLE Ti451 と相性がよくない模様。きっとスローピングフレーム向きのフレームバッグなのでしょうね。Ti451の “ホリゾンタルの巨大なミニベロフレーム” という特異性が、こんなところで仇になりました。
こりゃあ、マッチするフレームバッグ探しに手を焼くかもしれませんな。薄型だと全長が短く、全長が長いと全高もある製品が多いんだもの。あとは小型軽量の輪行袋を調達せねば。うーむ、ブルベ用のバッグと携行品の探求は、とんでもなく深い沼だぞ。
ご感想をどうぞ