先日、友だちから RICOH THETA SC2 という360°カメラを借りました。カメラを中心に上下左右の全空間を撮影できるガジェットです。要は、ストリートビューみたいな写真や動画が撮れるアクションカムってことですな。へえ〜、自転車に車載したらおもしろそう。
まあ、まずは全空間を撮影した下の写真を見てください。先日の荒サイ花見ライド中、野点をしながら撮ったものです。ぐりぐりドラッグすると、全方位の風景が見られますよ。ということで、“よりサイクリングが楽しくなるガジェット” として、THETA の使い方を工夫してみました。
Post from RICOH THETA. #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
画像内をドラッグすると360°全方位を見渡すことができます。また、画像左下の[THETA]ロゴをクリックすると、全画面表示できるビューワーページへ遷移します。
この記事の目次
RICOH THETA SC2 の基本的な使い方
saruveraが借りた THETA SC2 は、RICOH THETA シリーズのエントリーモデル。音声こそモノラルだけど、手ブレ補正やダイナミックレンジ補正などの機能を搭載し、4K動画(3840×1920pix 29.97fps)も撮れます。静止画は5376×2688pixのJPEGのみ。ホビーユースには必要十分ですね。
THETA SC2 の本体サイズは幅45.2×高さ130.6×奥行17.9mm。本体の表裏に設けられた視野角180°のレンズが、22.9mmと最も厚みのある部分になってます。本体裏側の中央にある白円がシャッターボタンで、その下にある黒窓はインフォメーションディスプレイ。ちなみに本体重量は実測105gでした。
本体の右側面には、4つの操作ボタンが並んでます。上から、電源ON/OFF、Wi-Fi/Bluetooth接続、撮影モード切り替え、セルフタイマー。本体を右手で握りながら全操作が可能な配置です。また、底面の三脚ネジ穴は一般的な1/4サイズなので、種々のカメラ用アクセサリを接続できます。
THETAで撮影した画像や動画は本体内蔵メモリに記録され、Wi-Fi/Bluetoothでスマホ、USBケーブルでPCへ取り込みます。そのため、画像/動画の取り込みを行う基本アプリ「THETA」や、スマホ用の編集アプリ「THETA+」が欠かせません。すべて無料アプリとはいえ、ちょっと準備が面倒。
1回のシャッターで、あなたを取り囲む全ての景色を簡単に撮影することができます。RICOH THETAで、今までにない新しい映像体験をお楽しみください。
360°全方位の撮影に自撮り棒は必需品
360°の全方位撮影は、上方(頭上)から撮ると見栄えのする写真になりやすいです。とはいえ、カメラを持つ手が映り込むと萎えるもの。そのため、いわゆる “自撮り棒” は必需品です。THETA は真下が死角になってるので、自撮り棒とセルフタイマーを組み合わせると自然な絵に仕上がります。
THETA SC2 と一緒に借りた THETA スティック TM-3 は、収納時177mm/伸長時423mmに3段伸縮する自撮り棒。重量は実測80gなので、ジャージの背面ポケットに入れても苦になりません。これがあるだけで、撮影の自由度が格段に上がります(走行中の使用は危ないからやめようね)。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
浅草の仲見世商店街で、THETA スティック TM-3 を使った撮影を試してみました。自撮り棒を使うと遮蔽物のない高さから撮影できるので、周囲を見渡せる写真になりますね。これをスマホのTHETA+アプリで “リトルプラネット加工” すると、下の画像になります。これはInstagramと好相性。
ローアングル360°撮影にはミニ三脚を
一味違う360°写真/動画を求めるなら、足元からのローアングル撮影はいかがでしょう。ミニ三脚やゴリラポッドでTHETAを地面の近くに自立させ、レンズをやや上向きにしてセルフタイマー撮影する手法です。冒頭の野点風景の写真は、開放感を狙って土手の斜面からローアングル撮影しました。
野点風景の撮影では、Manfrotto PIXI EVO というミニ三脚を使用しました。重めのレンズを装着した一眼カメラも固定可能で、地面ギリギリの高さに開脚できるので、主にブツ撮りで愛用してます。
こうして撮影した野点風景の写真を、スマホのTHETA+アプリで “アニメーション加工” したものが、下のTwitter動画。アニメーション加工を行うと、自動的にMP4動画ファイルが生成されます。
THETAで撮った画をイジるうちに1日が終わってしまった。お休みなさい。 pic.twitter.com/KEj6Kai8Xb
— saruvera (@saruvera) April 4, 2021
車載VR動画はステムに THETA を固定
ぐりぐりと360°動かせる車載VR動画を撮る場合、最も重要なことは “走行中の安全性の確保” です。両手と視線は走行のために使うべきだし、自撮り棒は固定できても安定性に欠けます。アクシデント発生時の被害を考えると、素直にアクションカム用アクセサリを使うべきですね。
THETA の最も安定した車載方法は、サイコンやヘッドライトをマウントしてるRec-Mountsへの固定でしょうか。ただし、Rec-MountsのカメラマウントはGoPro規格なので、単純にはTHETAの三脚ネジ穴と接続できません。そこで、Rec-Mounts ネジ変換アダプター GP-CN-A を介して接続固定します。
これがREC-MOUNTSの下面にTHETAを固定した状態。THETAは撮影後に写真や動画の天地を補正できるので、カメラを上下逆に装着しても問題ありません。が、この視点だと空側の死角が多く、地面の映り込みも多いので、開放感に欠ける映像になってしまいます。もっと視点を上にしたいなあ。
ならば、中華アクションカムに付属してたハンドルバーマウントを使ってみるか。複雑な形状のカーボンハンドルには固定できないので、ステムに固定します。こうしたGoPro規格のハンドルバーマウントは、安価な中華製がAmazonにゴロゴロあります。
これが、ステムに固定したハンドルバーマウントへ Rec-Mounts ネジ変換アダプター GP-CN-A を介してTHETAを装着した姿。これで開放感のある車載VR動画を撮影できます。難点はサイコンを視認できないことなので、撮影時だけTHETAを装着します。着脱しやすい三脚ネジ穴だからできる運用方法。
ハンドルバーマウントを使ってステム上に車載したTHETAの装着部。全てのネジが手回しなので、着脱に工具が不要な反面、がっつり固く締めておく必要があります。ここだけは入念にやっておかないとね。結果、荒れた路面でも微動すらなく固定できてました。
THETAはシャッターボタンが自分側になるように装着すると、スムーズに操作できます。とはいっても、操作は走行前にセルフタイマー動画撮影モードでシャッターボタンを押すだけ。あとは安全走行に専念しましょう。ちなみに、レンズは真正面を向いてる状態で問題ありません。
こうして撮影したVR動画は、PCやスマホの基本アプリ「THETA」で再生することができます。他者に見てもらう場合は、YouTubeでの公開が最も楽ですかね。ただ、YouTubeにアップしたVR映像は画質が荒くなるので、下の車載映像も極力4K画質(2160s)で視聴していただけると幸いです。
先日の花見ライドで撮影した荒サイ右岸にある吉見さくら堤の車載VR動画です。映像をドラッグして360°の映像をお楽しみください。4K画質(2160s)推奨。スマホの方はYouTubeアプリでご視聴ください。
サイクリング中、ときどき “みんなとシェアしたい” 風景に遭遇しませんか? 360°全方位の写真や映像であれば、より当事者の感動や臨場感を伝えられます。技術的にも価格的にもこなれた RICOH THETA SC2 は、手を出しやすい360°カメラではないでしょうか。正直、返すのが惜しくなりましたよ。
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