荒玉水道をトレースしながら終端(大谷口給水所)から水源(砧浄水場)までポタリングしてきたものの、このまま同じ道で帰ってもおもしろくない。どこかに気の利いたルートはないものかと多摩川左岸CRを南下してると、道端でトンガリ帽子みたいな不思議な構造物に出逢いました。
全高1m弱のトンガリ帽子の正体は、多摩川の伏流水を汲み上げる施設の空気抜き。ということは、近くに浄水場があるわけだ。Googleマップを頼りに、土手を降りて住宅地へ入ってくと……
ありました、砧下浄水所。大正12年、多摩川の水を渋谷まで送るために作られた「渋谷町水道」の水源です。渋谷町水道の地上も水道道路になってるそうなので、この道で帰ることにします
砧下浄水所の正門を背に進むと、すぐに野川へ架かる野川水道橋に差し掛かります。その名前のとおり、かつては水道管が主役だったそうで、往年の姿が欄干のレリーフに描かれてます
水道橋を渡った先で、水道道路は緑道になっちゃいました。かまわずに進むと、今度は古民家のある庭先へ続いちゃってます。ここ、入っても大丈夫かいな? 降車して遠慮がちに歩いてくと……
この辺りにあった江戸後期の農家を復元公開してる岡本公園民家園という区営施設でした。かつての農具に触れたり生活風習を体験したりできるそうですよ(民家園への自転車の乗り入れは禁止)
渋谷水道をトレースして古民家の裏手へ回ってみると、国分寺崖線に掘られたトンネルを発見。これぞ、渋谷水道の水道菅を通すトンネル(岡本隧道)でありました
岡本公園一帯は国分寺崖線のキワなので、台地や谷が入り組んでます。そこを貫く渋谷水道をトレースするのだから、急斜面を上り下りする羽目になるわな。しかもFELUCAを担いで (;´Д`)
台地を越えると、谷戸川の畔にすげえデザインのバス停が現れました。ガンダムF91に出てきそうなバス停の脇を、渋谷町水道に沿って通り抜けます。砧下浄水所からここまで、わずか1.2km
バス停のある谷底から再び登坂を強いられ、瀬田の住宅街へ。ようやく、はるか前方まで見通せる水道道路らしい風景になってきました。目を凝らすと、環八と首都高渋谷線が見えます
ニトリ前の横断歩道で環八を渡り、首都高渋谷線の高架を通過すると、右手に世田谷ビジネススクエアが見えてきました。水道道路は用賀の街に突入し、沿道の風景も住宅地から商業街へ一変。渋谷町水道ポタリングも佳境を迎えます。その様子は、次回の[後編]で。
ご感想をどうぞ