雨の週末が続くうちに、すっかり秋が深まりましたね。来期のブルベ出走に向けて、鈍った脚を鍛えないとマズイなあ。そんな危機感もあって、脚慣らしのポタリングを計画。折しも曼珠沙華が見頃を迎えたので、あまり混雑しそうにない水元公園まで走ることにしました。
水元公園は大きな溜池と濃い木々が広がるので、ちょっと出かけてリフレッシュするにはイイ場所。人出が少ない朝のうちに行き、お茶を点てながら気ままに過ごそうかな。ということで、久しぶりに野点セットを背負って朝7:00に浅草橋を出発。江戸通りで浅草方面へ向かいます。
駒形橋西詰から旧日光街道へ進み、雷門へ寄り道。7年ぶりに新調された大提灯はシャープな輝きがあり、朝方の空気と相まってキリッと新鮮な気持ちになります。昼間は混雑してて近寄りたくない場所で、ゆっくりと深呼吸。早起きは三文の徳ってヤツですかね。
浅草から吾妻橋で隅田川を渡って浅草通りを東進した後、境橋で左折して北上を開始。小村井で東武亀戸線を越し、その先で明治通りを越し、なおも前進を続けて墨田区を斜めに縦断。やがて八広の住宅街を通り抜けた先で、荒川右岸の堤防に突き当たります。
突き当りを左折して坂を上った先は、木根川橋の西詰です。この色あせたトラス橋で荒川を渡って東詰を右折。さらに次の信号を左折し、住宅地の細道へ入ります。この狭いながらも葛飾区を斜めに貫く細道を進み、京成立石駅の脇を抜けて青砥駅の西側へ。そのまま青戸銀座を抜けて、環七を横断します。
環七の東で京成線高架を越え、高砂橋で中川を渡河。ちょっと先の京成高砂駅の踏切を越えれば、間もなく柴又です。沿道に戸建住宅が増え、閑静な住宅地といった空気が漂ってきます。下町から郊外へ続く生活道路を走ってると、少しずつ家々の間隔が広がってく様子が間近に感じられて楽しい。
京成金町線を越えた先の信号を右折し、柴又駅に寄り道。フーテンの寅さん像に GIOS FELUCA を預け、人影まばらな駅前広場で一息付くことにします。映画「男はつらいよ」の1作目は、なかなかアナーキーでおもしろい。あと、若かりし倍賞千恵子が超絶カワイイ!
次いで柴又帝釈天の参道へ。野点のお茶請けに門前とらやの焼き草だんごを買おうと思ったのだけど、これから仕込むところだとか。まだ8:00だもんなあ。世間と活動時間がずれたサイクリストにとって、お茶請けの現地調達は意外とハードルが高いッス。
草だんごの無念を引きずりつつ、川甚の南から江戸川サイクリングロードへアプローチします。短区間スプリントに興じれば、あっという間に外環道の手前。金町七丁目の信号で一般道に出て
公園内を低速走行しながら花菖蒲広場へ行くと、赤色に染まる一角が見えてきました。小さな丘の一面に曼珠沙華が咲き乱れてるじゃないの! はじめて目にする曼珠沙華の絨毯に、ちょっと感動。FELUCAを押し歩きながら丘を1周し、しばし目の保養であります。
曼珠沙華を満喫した後は、水元大橋を渡って小合溜の畔へ。豊かな緑に包まれた水辺を借景して、一服しますかな。聞こえてくるのは、小鳥のさえずりと釣り糸を垂れる音だけ。これぞ最上のお茶請け、これぞ野点の醍醐味。そうだよ、余計なものに囚われて本質を見失ってたわい。
ちょっぴり開眼した気がするのは、メタセコイアの森の息吹を吸ったおかげ? 爽やかなエネルギーが体内を1周する感じを覚えながら公園を進み、葛三橋で都道67号へ出て帰途に就きます。時刻は9:30過ぎ。中川右岸に出て、舎人公園通りで荒川へ行こうかな。それでも11:30の歯医者に間に合うはず。
あーっと残念、開眼したのは一瞬だけだった模様。西詰へ渡るはずの潮止橋を東詰で左折してしまい、中川の左岸へ出てしまいました。足立区から荒川へ出る計画は早くも頓挫。まあ、いいや。エアロポジションの練習をしながら、そのまま左岸を南下しようっと。
結局、亀有の中川橋まで南下して中川を渡河。ここから曳舟川親水公園に沿って帰ろうかな。そう思ったのに、また道を間違えたんだよなあ。綾瀬駅前に出ちゃったよ。もう、いいや。何となくの地理感覚で前進してれば、そのうち荒川左岸に突き当たるだろう。この落差、オレはアルジャーノンか。
実際に突き当たったのは綾瀬川の左岸で、渡河した先にあったのは東京拘置所でした。何の因果がワタクシをこの地へ導いたのか。おのれ、ダニエル・キイスめ。拘置所の西側から荒川サイクリングロード入口を探して平和橋通りを走るうちに、再び綾瀬川左岸に出ちゃった。
荒川左岸に沿った都道450号で南下を続け、堀切小橋へ。ようやく荒川CRへ入れました。水元公園で洗われた心は、ここまでの迷走ですっかり汚れたようです。ああ、だんご喰いてえ。北千住の槍かけだんごに寄るか、向島の言問団子に寄るか。すでに10:40という時刻が問題だ(選択の余地なし)。
歯医者をドタキャンするわけにもいかず、堀切橋で荒川を渡って川の手通り〜江戸通りで浅草橋まで一気走。なおも妄執は拭えず、自宅を目前にしながら東洋庵で焼きだんごを所望。柴又の敵を鳥越で打ったというべきか、チルチルミチルというべきか。結局、ここの焼きだんごが最も旨い。
東洋庵は、その日に仕込んだ自家製だんごを注文ごとに手焼き。表面はパリッと香ばしく、中は餅のように伸びてふっくら。草だんごの餡は上品な甘さで小豆の風味が高く、みたらしは冷酒にも合うキリッとした醤油味です。この高クオリティで1本120円は破格。
結局、焼きだんごをパクついて帰宅したのは11:10過ぎ。どうにか着替えて歯医者へ間に合いました。この日の総走行距離は約44.3km、走行ルートはコチラです。もう1〜2週間は曼珠沙華を見られますかね。秋が去る前に、できるだけ距離を走っておきたいなあ。
今回のポタリングをRelive動画で振り返る
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