悩みますな、ブルベ用の装備ってヤツは。長距離を時間内に走破するためには、万一に備えた携行品が多くなる一方、できるだけロスなく走らねばなりません。だから、重心が高くて振られやすいサドルバッグの大型化は避けたい。となれば、もっと重心が低いフレームバッグの出番かな。
ところが、フレームバッグはトップチューブ下に装着する性質上、体格や車両との相性がシビアになります。幅が広いとペダリングの邪魔だし、フレームサイズに合わないと安定性に欠けるし……。こうした相性の問題で昨夏、定評のある TOPEAK MIDLOADER の使用を断念しました。
というのも、ミニベロのホリゾンタルフレームはヘッドチューブが長く、前三角が歪な四角形になんですよね。つまりはトップチューブとダウンチューブの角度や間隔が特異なため、適合するフレームバッグ探しが困難。そんな中、FAIRWEATHER Corner Bag と邂逅しました。コイツ、最適解っぽいぞ。
小ぶりな三角形をした FAIRWEATHER Corner Bag は本来、BB付近やシートクランプ付近のコーナーへの装着を想定したバッグ。本体サイズは全長250mm×全高170mm×全幅80mmで、容量は1.7Lと控えめです。表面素材が異なる3ラインアップのうち、防水性と耐久性が高いX-PACを購入しました。
結論から言うと、このコーナーバッグを本来と前後逆に装着することで、ホリゾンタルなミニベロに適合するフレームバッグとしました。トップチューブとヘッドチューブに密着固定でき、バッグの全長が短いこともあって左右への揺れは極わずか。ドリンクボトルとのクリアランスも秀逸です。
FAIRWEATHER Corner Bag の荷室は2つあり、ロゴ側がメインコンパートメント。内部は防水フィルムをラミネートしたPVCコーティング生地で覆われてます。反対側の荷室はマチのないポケットで、薄いものしか入りません。どちらの開口部も、ドローコード付きのYKK止水ファスナーを採用。
たかだか1.7L容量とはいえ、結構なモノが入ります。実際に FAIRWEATHER Corner Bag へ収まった携行品は、撥水ウインドブレーカー、コンパクト輪行袋、ハンドポンプ、予備チューブ、サコッシュ、VOLTカートリッジバッテリー、モバイルバッテリー+USBケーブル。まだ電池が入る余地あり。
それでも、上記を収容した時点で FAIRWEATHER Corner Bag の総重量が1,000gを超えたので、これ以上の重量増は勘弁してほしいですな。これらとサドルバッグの収容物を合わせれば、300kmブルベ程度まで対応できるんじゃないですかね。考えが甘い? いかがでしょう、ブルベ民のみなさん。
表地がX-PACナイロンの FAIRWEATHER Corner Bag は生地にコシがあるため、収容物パンパンでもあまり型崩れしません。それでも全幅が80mmに達するとなれば、ペダリング時にヒザが接触しないか心配です。いくら車両にフィットしようが、ペダリングを阻害するようであれば意味なし芳一。
でも、そんな心配は杞憂に終わりました。565mmというトップチューブ長が功を奏したのか、バッグの全長がヒザと接触する位置に達してませんでした。FAIRWEATHER Corner Bag 後端とヒザの前端には8mm程度のクリアランスがあり、物理的に接触しようがない状態。やったね!
ただし、FAIRWEATHER Corner Bag をミニベロ用フレームバッグとして使用する場合、いくつか問題もあります。1つはケーブル孔がないこと。そのため、結構な長さの充電用USBケーブルをファスナー後端から出すことになります。別途、バッテリーを収納するトップチューブバッグを用意するべきか。
もう1つの問題は、本来ダウンチューブ固定用に設けられてるベルクロストラップが、無用の長物と化すこと。いざというときに何かを保持させればいいや、という考えは捨てたほうがよさそう。位置的に落下時のダメージが大きそうだもの。かといって、切り落とすのも心が引けるしなあ。
満点ではないものの、FAIRWEATHER Corner Bag はホリゾンタルフレームのミニベロに適したフレームバッグではないでしょうか。最後に30分ほど雨ざらしにして防水性をチェック。フッ素加工された表地は撥水性が高く、下層にラミネートされた防水フィルムとの相乗効果で内部浸水はありませんでした。
こうしてブルベ用の装備がまとまってきた チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 の全体像。トップチューブ下に FAIRWEATHER Corner Bag を、サドル下に BBB COMPACKED を装着し、携行品を分散収納してます。あと必要になるのは、制限時間内に走り切れるエンジンとメンタルかな。
3月に入ったら、キューシート習熟も兼ねて過去のブルベコースをトレースしてみます。なお、“ブルベに慣れるなら寒い時期こそ走れ” という声は聞こえない模様。来年のFlecheを目指して、ちょっとずつ慣らしていきますよ。まだまだ発見と反省は山ほどあるだろうし(つまりネタいっぱい)。
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