昨年、GIOS FELUCA のサドルを fi’zi:k TEMPO ALIANTE R5 にした結果、その快適さが病みつきになっちゃいました。尻パッドなしでも100km以上走れてしまう脅威的な相性のよさ。最適なポジションが出た証左ということでしょうか。
で、この ALIANTE に慣れてしまうと、LIGHTCYCLE Ti451 に装着してる fi’zi:k ARGO VENTO へ不満を覚えてしまうから困ったものです。ショートサドルである VENTO は着座位置の自由度が少なく、平坦路でパワーを掛けるペダリングに特化した感じ。もう、そういう走り方がキツいお年頃なのよ。
そこで、LIGHTCYCLE Ti451 におけるシッティングの自由度と快適性を向上させる目的で fi’zi:k TEMPO ALIANTE R3 (145mm幅)を調達しました。なお、3Dプリント座面の ALIANTE R3 ADAPTIVE は座面のグリップ力が強すぎて、走行中に着座位置を前後にズラしにくいので断念。
今回 LIGHTCYCLE Ti451 用に調達した ALIANTE R3は、GIOS FELUCA に装着してる ALIANTE R5 の上位グレードで、レールにK:ium合金が採用されてます。転倒したときの破損が怖くてカーボンレールに踏み切れないsaruveraには、とてもありがたい選択肢です。
もともと使用してた ARGO VENTO R3 と TEMPO ALIANTE R3 を並べると形状の違いが分かりやすいですね。全長差は12mm、全幅差は5mmながら、ノーズ先端から75mm幅部分までの長さは27mmも違います。これが着座位置とQファクターへの許容範囲を生んでるのでしょうね。
TEMPO ALIANTE の座面は ARGO VENTO と比べて明らかにコンフォート。それだけでなく、ノーズに向かうほどパッドの密度が薄くなり、強く押したときのグッと沈む手応えが増します。ALIANTE R3 の実測重量が220gと VENTO R3 より10gも軽いのは、この密度の差が大きいのかも。
そんな fi’zi:k TEMPO ALIANTE R3 を チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 に装着。例によって前後装着位置は後端ギリギリで、上下角度は中央部が1°ほど前下がり。近所を試走しながら出したひとまずのポジションなので、ベストポジションが出るまで微調整が続きます。
ひとまずのポジションを出した後、サドル下面にテールライト CATEYE RAPID micro AUTO を移植。これは問題なくスマートに収まりました。明るさセンサーの反応や後方からの非視認性を確かめながら角度を調整して完了です。うむ、グッドルッキング。
こうしてサドルを fi’zi:k TEMPO ALIANTE R3 に交換した翌日、筑波・土浦方面への160kmライドを敢行。数ヶ月ぶりの本格的な走行だったけど、尻の痛みを覚えることはありませんでした。また、ときどき着座位置を前後にズラしてペダリングしたおかげなのか、脚の疲労も少なく感じられました。
基本的に “ちょこんと前乗り” なsaruveraにとって、fi’zi:k TEMPO ALIANTE のノーズは形状も硬さもかなり相性が良いみたい。一方で、ときどき後ろ乗りを混ぜられるようになったことが、脚への負荷の分散に繋がったようです。ということで、より楽に長く走るためにショートサドルをやめた次第です。

どうにかポジションを出そうと無理した皺寄せが、サドルに積み重なってます。レールは湾曲してしまい、座面は前方から見ると左右で異なる曲線を描くまでに変形。もともと薄いインナーパッドは、長年の使用で完全にヘタってしまって存在感ゼロ。カッチカチやで。
また、落車転倒で負った破れも1つや2つではありません。こんな姿になるまで長年Siriを支えてきてくれたことに感謝と愛着は尽きないけど、さすがに使用限度を超え過ぎでしょ。今回の GIOS FELUCA 大幅改装を機に、サドルも新調することに決めました。
そこで
でも、残念ながら fi’zi:k VENTO ANTARES は相性が悪いようです。ワイドハンドル+ショートステムにしたことで、ややアップライトなポジションになったからでしょうか。走りはじめて間もなく尻と会陰が痛くなり、降車後は股関節の違和感まで出る始末。ダメだ、こりゃ。
で、次に借りてきたのが
そんな fi’zi:k TEMPO ALIANTE を試用したところ、おっ♥という感じで尻に馴染むではないですか。形状が SPECIALIZED ROMIN EXPERT と似てるから少し期待はしてたけど、やや後方にドカッと腰を預けても痛くならないし、前方にちょこんと座ることもできるぞ。
当初は fi’zi:k TEMPO ALIANTE に対し、ノーズ先端がレーパンに引っかかるかもという懸念を抱いてました。しかし、試走中にそのような事態は発生せず。ノーズ先端がやや太めの形状だからなのかな。懸念点が払拭されたので、このサドルを選択しない理由がなくなりました。
ということで、
調達した
そんな RITCHEY COMP ZERO の実測重量は290gで、カタログ値より50g過多。まあ、全長が400mmもあって1/3は切り捨てることになるから気にすんな。一方の 3T DORIC PRO は切った状態で228gで、それとあまり変わらない重量に着地しそう。
なお、RITCHEY COMP ZERO のヤグラは、板状の上下台座でサドルレールを挟む形式。個人的には、T字の固定パーツ付きボルトで留める形式より作業しやすくて助かります。3TやKCNCのシートポストは後者なので、サドルの装着作業に手間取るのよ。
それでは RITCHEY COMP ZERO を GIOS FELUCA に挿し、サドル SPECIALIZED ROMIN EXPERT を装着。シートポスト高とサドル前後位置は換装前と同様にし、サドル中心部を水平にしてあります。おお、シンプルにまとまってカッコイイではないか。
それにしても、SPECIALIZED ROMIN EXPERT の経年劣化が進行してるなあ。あちこち表皮が破れてるし、左右で形状が歪になってるし、サドルレールが歪んでるし……。14年も使えばヘタって当然か。我がSiriに馴染みまくったサドルだけど、替えどきかな。
ともあれ、シートポストを RITCHEY COMP ZERO に換装した GIOS FELUCA で試走。ステムを換装したときのような劇的な変化はないけど、大きめのギャップを越えたときの衝撃が和らいだかも。そういえば、坐骨まで響く突き上げ衝撃を感じなかったなあ。
汎用FDバンドアダプターは700Cを想定したディレイラー取付角なので、ガイドプレートの下がりが足りなくてインナー時にチェーンの動作を妨げてます。こんな状態なのでフロントギアの変速も芳しくなく、インナーからアウターにチェーンが上がりません。
へえ〜、Tyrellフレームの塗装膜は0.8mmもあるんだ!と感心しながら、同社の販売サイトで
シートチューブに Tyrell FDバンドアダプターDi2 を仮止めし、そこにフロントディレイラー FD-R8050 を装着。この状態で各ギアに変速しながらFDバンドアダプターの取り付け位置を上下左右に動かして調整し、フロントギアが概ね問題なく変速する取り付け位置で固定します。
次にフロントディレイラーのトップ側調整ボルトを回し、フロントギアがスムーズに変速するようにガイドプレートを調整。どのリアギアでもフロントが問題なく変速できる位置を見つけるまで、FDバンドアダプターの取り付け位置とガイドプレートの調整を繰り返すこと1時間……。
さすがはミニベロ専用パーツと感心しながら、Tyrell FDバンドアダプターDi2 の各ボルトを4Nmで締めて固定。最後にフレーム内へ泥水が侵入しないよう、エレクトリックケーブル孔にグロメット
作業ついでにスピード/ケイデンスセンサーも装着。使用するのは、通信規格がANT+の
センサー本体をゴム台座に載せ、左ペダル根元に付けたケイデンス取得用マグネットや、後輪スポークに付けたスピード取得用マグネットとの反応位置を調整。位置が決まったらナイロンタイを締めて固定し、余分なナイロンタイを爪切りで切除します。
使用してるサイコン
さて、
Before:2011年3月以来、長らくULTEGRA FC-6700クランクを装着してきたGIOS FELUCA。愛着はあるけど、どこか違和感を拭いきれない姿でした
勢いに身を任せて、セットバック0mmシートポスト「
3T DORIC PROの外周にDura-Aceグリスを薄塗りしてから、シートチューブにぷすっと挿入。デフォルトと比較して18mmほど前へサドルを出せるようになりました
シートポスト(3T DORIC PRO)とサドル(SPECIALIZED ROMIN Expert)の相乗効果で、なかなか戦闘的な後ろ姿になりました。バックシャン(死語)なFELUCAちゃん
作業ついでに、ワイズカップに備えてタイヤ(
脚が効率よく回るポジションを探った結果、サドルポジションは“より前へ、より高く”なりました。これ以上はサドルを前に出せません(参考=