乙女ギアを使おうが、キツイものはキツイ。浅草橋から76km、約27kmのヒルクライムを経て都民の森に到達したものの、腰は痛いし、空腹で倒れそうだし。で、下山ルートを五日市周りにするか奥多摩湖周りにするか思案してたところ、無慈悲な指令が下ったのでした(前編を参照)。
ミニベロガチ勢の雄・みなみさん曰く、「奥多摩湖方面にあと3.2kmほど登坂して風張峠(東京の道路の最標高地点)まで行くべし」とな。この坂をまだ上らせる気なのかと震えたものの、あと3kmを走らずに後悔を残すのもなあ。苦労した割にヒルクライム特有の達成感が薄い気がするし……。
焦るんじゃない、オレは腹が減っているだけなんだ。ゆりーとモニュメントの足元で、奥多摩湖方面からの帰宅ルートと立ち寄れそうな飲食店を確認。風張峠まで行けば、あとは下り基調で帰れるから何とかなるか。気を付けるべきは連続するトンネルだなと前後ライトを再チェック。
そして13:00頃、風張峠に向けて走行を再開。最初の1.2kmはそれほどの勾配はなく、あっさりと数馬駐車場を通過。が、その先から9%勾配がはじまり、再び涙目になってセコセコ登坂を続けます。みなみさんへの恨み節をブツブツと唱えながら。
浅間尾根駐車場を過ぎると少しだけ斜度が緩くなり、ホッとしながらペダルを回すうちに風張峠駐車場へ到達しました。時刻は13:20過ぎだから、都民の森から30分かからずに頂上まで上れましたね。これで登坂地獄から解放されるかと思うと、ホッとせずにはいられません。
風張峠駐車場の反対車線に立つ奥多摩周遊道路の道標と、チタンミニベロ LIGHTCYCLE Ti451 の勇姿。道標に書かれた「東京で一番高い道路、最高地点 標高1146m」の文字に、達成感が湧いてきました。みなみさんの指令にしたがってよかったなと、今になって思えてきます。
さあ、風張峠から下山しますか。この峠から奥多摩湖に架かる三頭橋まで、約13kmのダウンヒルを開始。ブレーキシューの制動力を強化しといたおかげで、危険な思いをすることなく下ることができました。ダウンヒルの様子は車載カメラ映像(YouTube)でご覧ください。
こうして14:20過ぎに三頭橋の北詰へ到達。ここからは、ひたすら青梅街道を東進して都内を目指します。山中の青梅街道に連続する大小20ものトンネルを通過する間、ヘッドライト CATEYE VOLT800 とテールライト CATEYE TIGHT KINETIC の存在が頼もしかった!
そうはいっても空腹は増すばかりで、集中力と注意力が途切れることを繰り返す始末。ハンガーノックの兆しに危機感を覚え、大麦代駐車場の売店でアメリカンドッグを補給。こんなのが1本250円という足元を見た価格だけど、背に腹は代えられない。小河内ダムの食堂がコロナ休業中なんだもの。
とりあえずの補給を済ませ、走行を再開。こうなったら、意地でも奥多摩っぽいモノを喰ってやる! その執念と下り基調の威を駆りて30km/h前後の走行を続け、軽やかに奥多摩駅前を通過。古里駅前でようやく現れたコンビニでも給水と軽食に留め、なおも目指した場所は……。
ここが目当ての玉川屋。御嶽駅のほど近くにある茅葺き古民家で、手打ち蕎麦と川魚料理を供する店であります。大正4年創業の老舗ながらサイクルラック常設。なお、青梅街道から同店へ至る路地はとんでもない激坂で、見事に落車しました。よい子のみんなは自転車を押して登坂しようね。
待ち客が2組というので待機してたら、何と1時間近くが経過。ようやく対面した大もり蕎麦は香り高く、汁は濃厚辛口。これが太宰治や井伏鱒二の愛した味か。お店の大奥様がサイクリストに理解ある方のようで、蕎麦湯をすすりながら談話。痛恨のタイムロスなれど、旅のよき経験ができたかな。
そんな玉川屋を出たら16:45という時刻。ここまでの走行距離が115.2kmなので、自宅まで45kmくらいかな。青梅街道で箱根ヶ崎まで進んだ後、旧青梅街道〜江戸街道〜東京街道と繋いで田無へ向かいます。しかし、どの道も渋滞を避けられず、思うような速度で走れません。
田無一丁目交差点で19:00を迎え、保谷新道を経由して走りやすい道幅と交通量になった新青梅街道で東進。完全に日没したけど街灯が多い都市部に入ったので、夕暮れ時より視認性が高まって走りやすくなりました。ああ、調光レンズのアイウェアを着用しててよかった。
そのまま新青梅街道〜目白通りを走り抜け、文京水道から牛込小石川線に出て後楽園遊園地の前へ。ここまで来れば、もう我家は目と鼻の先。最後の登坂となる壱岐坂をダンシングで乗り越え、浅草橋へ向かって蔵前橋通りを東進します。
こうして20:30頃、我家に帰還。この日の総走行距離は約161.3km、獲得標高は1,626mということで、今年はじめてのセンチュリーライドとなりました。走行ルートは[コチラ]です。どうにか、ミニベロで東京の西端まで往復することができましたね。
で、このライドの本来の目的は何だっけ? そうそう、LIGHTCYCLE Ti451 のヒルクライム性能と、乙女ギアの可用性を確かめるためだった。結果、ライダーのヒルクライム性能がポンコツすぎて、確かめるどころではありませんでしたな。どんな道具を使おうが、キツイものはキツイ!
今回のサイクリングをRelive動画で振り返る
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