自転車キャンプにちょうどいいクッカーって何だろう。バッグの形状や大きさ、使う火元によって変わるものだけど、まあ底なし沼です。それなのに、ウルトラライトと無骨を併発したキャンプスタイルを突き進んでるから性質が悪い。トライ＆エラーの終わりが見えません。
そんな状況が、EVERNEW BACKCOUNTRY ALMI POT を入手したことで一変しようとしてます。以前からほしかったのだけど高くてねえ。ようやく値下がりしたので購入したところ、使い勝手といい、サイズといい、感心する絶妙っぷり。なるほど、評判の良さは伊達じゃない。
EVERNEW BACKCOUNTRY ALMI POT は、言ってしまえば単なるアルミ鍋。でも、そのシンプルさが持ち味で、熱伝導率が高いから煮炊きしやすいし、肉厚なので焚き火でガシガシ使えます。そして、直径122mm×深さ67mmの650ml容量というサイズがすこぶる絶妙。
ご覧ください。いつもの器から大きさで二軍落ちした器まで、すべてを BACKCOUNTRY ALMI POT の中にスタッキングできたのですよ。器同士が接触してガチャガチャ音が出る隙間はなく、まさにシンデレラフィット。ソロキャンプの酒食に過不足のない一式であります。
なお、内部に小皿として使う EVERNEW mulTidish を収納したら蓋が浮いたので、携行時はズレないように蓋の裏表を逆さにしてます。また、下側にはミニフライパンの EVERNEW PANTAPAS/570 をスタッキング。これもまた、ちょうど良く収まってくれました。
これらが BACKCOUNTRY ALMI POT にスタッキングした器やらの一式。煮る・炊く・焼くに使う器はアルミ製、沸かす・飲む・食べるの器はチタン製、あとは100均の小道具がチラホラという構成です。で、これらをどのように使ってるのかというと……。
まずは煮炊きをこなす BACKCOUNTRY ALMI POT。saruveraは鍋料理や汁物に使うことが多いですかね。あとはカレーとかシチューとか。煮る調理はやはり丸型クッカーが使いやすい。ペイルハンドルでトライポッドから吊り下げれば、火加減の調整もできます。
煮ることに BACKCOUNTRY ALMI POT を使う場合、炊飯は BELMONT アルミシェラカップ深型480フォールドハンドル を使ってます。厚みが2mmもあるので熱が冷めにくく、PANTAPAS/570 を蓋に使っておいしいご飯が炊けます。二軍から昇格したものの、販売終了品らしい。
その内側にスタッキングしてる EVERNEW Ti 400 NH は、主に茶碗として使用してます。熱伝導率が低いチタン製だから、鍋料理などの取り鉢としても使用可能（熱い料理と接してない部分を持てば）。奥に見える mulTidish は、取り皿だけでなく湯沸かし時の蓋としても使えます。
とはいえ、湯沸かしは BELMONT チタンシェラカップ深型250フォールドハンドル を使うことが多いですね。蓋には EPIgas シングルチタンマグカバー L がジャストフィット。また、キャンドゥのシェラカップ用網と併用し、湯を張って燗酒をしたり氷水を張って冷酒をしたり。
酒の片口は EVERNEW GubiGubi に ちょいすきエース を装着して使用。そして盃は EVERNEW TibiTibi 呑山臥酒 であります。チタンは金属の味や臭いがしないので酒器にもってこい。ちなみに GubiGubi は、本格焼酎やウイスキー、コーヒーやお茶の器としても多用してます。
右下の小さなブツが、ちょいすきエース。湯や酒をこぼさずに細く注ぐためには欠かせない存在です。一方、セリアのステンレス皿（最も小さいやつ）は、焼肉のタレ皿や刺身の醤油皿として使用。同サイズのアルマイト皿を買っておけば良かったと、今さらながら後悔してます。
焼き調理に使う PANTAPAS/570 のセラミックコーティングは傷付きやすいので、実際はポリ袋に包んだうえでスタッキングしてます。そのハンドルとして SOTO マイクロリフター を使ってるけど、相性はイマイチ。新発売予定の EVERNEW ReMax Pot lifter に期待してます。
以上のクッカー類をスタッキング後、EVERNEW NPクッカーケース#2 に収納。BACKCOUNTRY ALMI POT が無理なく収まり、ニトリル手袋やアルミホイルなども一緒に収納できます。ある程度の衝撃保護が期待でき、横倒しての携行も無問題。このケースを含む一式の総重量は568gでした。
レビューついでに、スタッキングしたクッカー類で餃子定食を作りました。BACKCOUNTRY ALMI POT で炊飯するときは、米を30分以上浸水してから強火で10分ほど煮込み、汁気がなくなった頃合いで火から降ろして10分ほど蒸らすと良いです。あと、冷凍の味の素しょうがギョーザは旨いね。
BACKCOUNTRY ALMI POT は2合炊き飯盒よりコンパクトでありながら、かなり理想的なスタッキングができました。同梱できなかったカトラリーや調味料は、無印良品のメッシュペンケースに収まったので問題なし。今回こそスタッキング沼から脱出できたかな？
バイクパッキングを施した GIOS FELUCA キャンプ仕様［暫定版］のサイドビュー。びん沼キャンプライドでの反省から、ハンドルエクステンションバーの使い方を変えてハンドルの自由度を向上するとともに、積載するキャンプ道具を見直してマスの集中化を図りました。
バッグ類をキャストオフした GIOS FELUCA キャンプ仕様［暫定版］の姿はシンプルだけど、フロントバッグを支持する DAVOS FBS-2 の張り出しが目立ちますね。乗り心地を優先した改修を施した結果、レースで使用してたときの尖った感じはすっかり消えました。
これまた今後も使い続けたい焚き火台 
で、秘密のグリルちゃんは大きな薪も割らずに焚べられるので、
愛用してたミドリ安全の耐火軍手は、焚き火の熱さに耐えられないので降板。次回から
ここまでキャンプ道具を省いたり代替したりしたけど、新たに加えたい道具もあります。それが焚き火台用の風防。で、
そこで 
こうしてボトルケージの位置を50mm後退させた結果、装着時はフレームバッグと少し干渉するものの、斜め左右からボトルを抜き差しできるようになりました。もちろん、走行中の抜き差しも無問題。これで夏場の走行中に、体へ冷水を浴びせることができます。
次はヘッドライトの位置。ハンドルのフラット部に装着したライトの光は、下半分がフロントバッグに遮られ、思ってた以上に郊外で頼りなかったです。また、フラット部を握るときの邪魔っぷりが絶妙で、そのストレスがどんどん積もりました。
この課題を解決するために、重量が増えるからと避けてた 
一旦 GIOS FELUCA のステムとコラムスペーサーを外し、DAVOS フロントバッグサポーター FBS-2 を差し込んでからスペーサーとステムを再装着（サポーターの厚み分を調整するため5mmスペーサーを1枚抜きました）。ブルベマウントの位置が変わった理由は後述します。
そして DAVOS フロントバッグサポーター FBS-2 の下面に、Rec-Mountsの
ところが、ライト装着アダプターのボルトを覆うスポンジがすぐに剥がれちゃったので、ヘッドライトの位置を再考。結局、ブルベマウントにCATEYE純正マウントで固定することにしました。これならライトが手の邪魔にならず、また光が荷物に遮られることもありません。
テントサイトに戻り、車両（GIOS FELUCA）とテント（ONETIGRIS HILLRIDGE）を眺めながら要改善点を整理してると、仲間の社畜おやじ達も起床してきました。ならば、コーヒーの支度をするかね。まだ焚き火ができない時刻なので、仲間のガスバーナーで湯沸かしであります。
使用するコーヒーは、もちろんワタクシが手がける 
モーニングコーヒーを味わってると、頭上からコンコンコンコンっという音が聞こえてきました。よく見廻したら、
やがて焚き火ができる時刻になったので、朝食を作ります。持参したスライス済みのタマネギを山岳飯盒弐型に入れてじっくり炒め、チューブのニンニクとショウガ、コンビーフを追加。さらにトマトピューレを加えて甘味が出るまで炒めたら、火から外して赤缶カレー粉を投入します。
カレー粉が混ざったらお湯を注ぎ、しばらく煮込んだら “コンビーフのスパイスカレー” の完成です。スティックタイプの赤缶カレー粉は便利ですね。このカレーを湯煎したレトルトごはんにかけて、各自あっという間に1合飯を完食。で、食べ足りないと。育ちざかりか！
そこで残ったカレーにお湯を足して再沸騰後、昨夜の使い残しのカット野菜とインスタントラーメンを投入。
こんな具合に朝食を終えて、各自は撤収作業を開始。11:30頃に解散し、帰宅の途に着きました。帰路は荒川サイクリングロードへ直行せず、羽根倉橋までは長閑な一般道を走ろうかな。そう思い立ち、びん沼と荒川の間にある
そして、やがて交差する川越新座線を進んで
ということで、北からの追い風を背に受けながら荒川CRを一気に南下。往路であれだけ苦しめられた荒川峠が、帰路は完全に味方。強敵と書いて “とも” と読むべきか。緩い勾配を下るような感じで、ペダルも軽く進みます。思ったより早く帰宅できそうだなあ。
羽根倉橋から走ること約50分、13:10頃に
バイクパッキングした GIOS FELUCA は積載量が多くて車幅も広いため、いつもとは異なる交通量の少ないルートで扇大橋へ向かいます。入谷から根岸を抜け、尾竹橋通りを
こうして11:20頃、
でも、ここからはサイクリングロードだから移動時間を圧縮できるはず。と思いきや、この日の荒川CRは風速26.1km/h（約7.2m/s）の向かい風が吹き荒れる荒川峠日和。15〜16km/hで走るのが精一杯です。うげ〜、脚が辛い。何時になったらキャンプ場へ着くことやら。
延々とヒルクライムさせられてる心境で脚をセコセコと回し、12:30頃に
もうLSDだか何だか分からないスローペースで羽根倉橋を越え、
そして予想通りの13:30、
テントを設営後、
それでは焚き火を使って酒菜を作りますか。まずは焚き火に成形炭を投入し、炭火が起きたら焼き網をセット。そこに冷凍のアスパラ巻きベーコンを載せ、岩塩と胡椒を振って焼き上がりを待つだけ。それだけの肴なのに、ビールを2缶空けちまった。
炭を追加して火勢が増したところで、二品目の冷凍やきとりを焼き網へ。これまた岩塩と胡椒を振り、じっくり炭火で焼いていきます。ときどき肉汁が炭に垂れて香ばしい匂いが漂って、こりゃあ堪りませんな。もう1缶のビールも空いちゃったので、日本酒を嗜むとしますか。
晩秋の屋外で呑むなら燗酒でしょ。シェラカップ網を敷いたチタンカップで、
こんな具合に燗酒を呑みながら、いよいよ主菜の牛モツ鍋を調理。といっても、
とりあえずで選んだタイヤは 
タイヤの交換ついでにチューブも交換することにしました。こちらは耐久性を重視して 
ついでと言えば、もうひと作業。キャンプ道具で約10kg増した車両を走らせるために、スプロケットを11-25Tから11-28Tに換装しました。いまや犬も喰わない（?）10速の ULTEGRA CS-6700。10年前、これでハルヒルや富士ヒルを走ったのだよ。
なお、長らく使用してた11-25Tは、泥やら鉄粉やらにまみれてドロドロに汚れまくり。触ったら指先が真っ黒になっちゃったよ。長らくバラし清掃をしてなかったものなあ。1枚ずつチェーンクリーナーとブラシで洗浄し、またの機会まで冬眠していただきます。
タイヤ・チューブ・スプロケットの換装を終え、GIOS FELUCA の暫定的なキャンプ仕様が完成。新タイヤ IRC JETTY PLUS（20×1 1/8）の空気圧を 600kPa（87psi）にして試走したところ、かなり乗り心地が向上しました。速さはないけど、コンフォートで楽ちん。
この暫定版キャンプ仕様の GIOS FELUCA に、荷物を詰め込んだ 
そこで、焚き火台をフレームバッグ 
そして走行中の使用頻度が高いドリンクボトルは、
サドルバッグは前方に重量のある山岳飯盒弐型や救急キットを入れ、続いてLEDランプ・ウェットティッシュ類・ゴミ袋・洗面具を入れたポーチを投入。残った後半は、嵩張るけど軽い衣類（着替え）を入れました。最後に空気を抜きながらロールアップし、全体重をかけてストラップを締めて固定。
ハンドルバーバッグの中身はテントや寝袋のほか、グランドシートや焚き火シートなど。また全体的な重量を削減するために、グランドシートはタイベックシートに換え、ペグはハンマー不要の
低重心化を心がけて1泊キャンプ用の道具一式をパッキングした結果、走りやすくなりました。ただし、横風にはちょっと弱い。11月下旬の
想定に適したフロントバッグを悶々と検討した末、
ORTLIEB HANDLEBAR PACK の本体は極めてシンプルで、左右にロールクロージャー式の開口部を設けた筒でしかありません。だからこそ壊れにくく、高い防水性を確保できるのでしょう。ロールアップの回数で本体幅を調整できることも利点ですね。
で、これらのキャンプギアを ORTLIEB HANDLEBAR PACK に収納できました。左上から時計回りに、テント、寝袋、インナーシーツ、枕、ペグ、テントの下に敷くグランドシート、焚火シートと火消し袋。9L容量の割に収納力が高いのも、物を詰め込みやすい筒状だからでしょうか。
荷物を詰めた後は、積載時のシフトレバーとのクリアランスを考慮して、左右の開口部を4回ずつロールアップ。そして、このエア抜きバルブを引っ張ってから本体を手で押して圧力をかけながら整形します。これでバッグがカチカチに固まり、内部で収納物が暴れることもありません。
さて、ORTLIEB HANDLEBAR PACK の装着はちょっと手間を要します。最初にマウント用ベルクロを左右ハンドルバーに片側ずつ巻いて仮留めし、次にベルクロを引っ張りながら本留め。その上にストラップを渡して金具で留めた後に力いっぱい引き、最後にストラップをロック。
また、前後の揺れを防ぐためにヘッドチューブと固定するストラップも付属してます。が、これがなかなかの曲者で、使おうが使うまいがバッグ本体がブレーキやシフトのケーブルを圧迫しまくり。シフトやブレーキの操作が重くなってしまうので、回避策を講じねば。
そこで、バッグが車両側へ振れることのストッパーとして、
このようにKCNCブルベマウントがストッパーになって、ケーブル類の圧迫を防いでます。ブルベマウントの位置が高いと荷重が増す（公式の上限は800g）だけでなくバッグの位置も高くなってしまうので、様子を見ながら位置の調整を繰り返しました。
こうして ORTLIEB HANDLEBAR PACK を装着した GIOS FELUCA のフロント周り。ブルベマウントで後退を防いだバッグをヘッドチューブとストラップで固定した結果、段差でも安定して運用できました。一方、ヘッドライトの照射はギリギリ許容範囲内で改善の余地あり。
ORTLIEB HANDLEBAR PACK のアクセサリー用ストラップが固定力も使い勝手も良好で、これを使ってクローズドセルマットとテント用ポールを積載しました。これで全ての住関連ギアの積載が完了。合計重量は約3850gで、操舵性を考えるとこれ以上の積載はしたくないですね。
ORTLIEB HANDLEBAR PACK を使って約3850gのフロント積載を果たした GIOS FELUCA は、停車時こそフロントヘビーを感じさせるものの、走行中は重さを感じません。車両と積載物が一体になった安定感があり、懸念してたステアリングの切れ込みは皆無。