ミニベロ BRUNO SKIPPER のストリート性を高めるため、近年の MASH SF ピストバイクをモチーフにしたカスタムに着手。ロー&ワイドなライザーバーハンドルやブレーキレバーへ換装するとともに、SHIMANO製のシフターやカンチブレーキを装着しました(前半を参照)。
ここまでで基本的なパーツの換装が完了したので、次はそれらを稼働させるためのケーブルルーティングに取り掛かります。その前にケーブル類の準備。新たに採用したブレーキレバーの DIA-COMPE SS-6 はタイコがMTB式なので、ブレーキインナーケーブルもMTB用が必要になります。
そこで SHIMANO MTB用ステンレス製ブレーキインナーケーブルを調達。カンチブレーキはインナーの露出が多いので、サビにくいステンレス製が良いかなと。アウターケーブルはブレーキ/シフトとも東京サンエスのgrunge カラーアウターにしました。アジャストボルトはDIA-COMPE製を新調。
それではケーブルルーティングを開始します。まずはブレーキレバー基部のケーブル孔にブレーキインナーケーブルをエンド端から通し、ケーブル先端側のタイコをレバー根本のケーブル固定孔に挿入。このとき、レバーに設けられたケーブルガイドにケーブルが収まってることを確認しておきます。
次にインナーケーブルをエンド側からアジャストボルトに通し、ハンドルを左右に振ってもケーブルが突っ張らない長さを確認。その状態でアジャストボルト接点にマスキングテープを貼ります。そして、このインナーケーブルにアウターケーブルを重ね、カットする位置にマスキングテープ。
先の作業で貼り付けたマスキングテープをガイドに、レバー根本からアジャスターまでを覆う長さのアウターケーブルを切り出します。アウターケーブルをカットする際は、切り口が潰れないように使い古しのインナーを通し、カット後は粗いサンドペーパーで断面を整えます。この作業が大事。
アウターエンドキャップと切り出したアウターケーブルを通してブレーキレバー根本からアジャスターボルトを覆ったら、今度はインナーケーブルのエンド側をカンチブレーキのケーブルキャリア(チドリの進化形)とブレーキアームに通します。SHIMANO BR-CX50 はこの作業が楽で助かる!
次はブレーキシューの調整。リムとの間にブレーキシューチューナーを挟んだ状態で、シューの位置を調整してシューホルダー固定ボルトを締めます。続けてインナーケーブルのエンド側を強く引っ張りながらブレーキ本体のケーブル固定ボルトを締め、最後にブレーキシューチューナーを外します。
リアブレーキのケーブルルーティングも、ほぼ同様。アウターケーブルで覆う部分がフレームの前後の2箇所になるので、ちょっと作業が増えます。あとは、アウターエンドキャップやインナーケーブルOリングの装着漏れや位置間違えに注意することですね。後で修正するのが地味に面倒です。
さあ、今度はシフトケーブルのルーティング。使用するシフター SHIMANO SL-4600 は最初からインナーケーブルが装着してあるので、これをダウンチューブ下のケーブル孔まで張って長さを決め、同長にカットしたアウターケーブルとアウターエンドキャップを通します。
続けて、シフトインナーケーブルをリアディレイラー手前まで張り、アウターケーブルとアウターエンドキャップを装着。次にインナーケーブルをディレイラーのアジャストボルトに通し、ギアトップの状態でインナーのエンド側をディレイラーのワイヤー連結部ボルトへ通し、固定ボルトを締めます。
以上でケーブルのルーティング作業が完了。今度はブレーキ本体やリアディレイラーの調整ボルトを操作して、ブレーキの効き具合やディレイラーの変速具合を調整します。これが済んだらインナーケーブルの余分なエンド側をカットし、インナーエンドキャップを装着。これで走れる状態になりました。
作業ついでにサドルも交換することにしました。これまで使用してきた SELLE ITALIA Sportourer FLX Lady Gel Flow も悪くないのだけど、ぼってりしたシルエットが MASH SF スタイルと不釣り合い。もっと薄いシルエットで、かつ女性特有の痛みが出ないサドルが求められます。
そこで、SAN-ESU BASEで東京サンエスの専務さんが熱っぽく勧めてくれた DIXNA アキレスレデースサドル を試すことにしました。Pちゃんサイクルとコラボした “TOKYO VICTORY モデル” のド派手なグラフィックにドン引く相方なれど、座り心地や滑りにくいキャンバス風の表皮が気に入った様子。
ペダルは、三ヶ島製作所とMASH SFのコラボモデル MKS MASH STREAM を継続使用。ただし、相方のリクエストにより、クォータークリップを外すことにしました。その理由は、トゥクリップへ爪先を入れることに使う集中力や注意力を、安全に運転することへ注ぎたいとのこと。
こうして、MASH SF風カスタムを施した BRUNO SKIPPER 第3形態が完成。サイドビューは一見、ごく普通のクロスバイク的ミニベロであります。サドルも悪目立ちすることなく車体に馴染んでますね。コイツが105系コンポーネントを搭載してると思う人は少ないでしょう。
一方、フロントビューは溢れんばかりのMASH SFテイスト。ゆるやかにライズした650mm幅ハンドルとロングネックグリップが、ストリートに似合う力強さを感じさせます。前照灯には Knog Blinder Mini を採用し、被視認性とスタイリングの両立を心がけました。
意外にも、最も個性が顕なのはリアビュー。細身で小柄な車体とワイドなハンドルが、明らかにアンバランスでありながら妙に馴染んでます。なお、このハンドルによって車両全幅が600mmを超えたので、歩道を走行できなくなりました(道交法 第63条)。
この新生 BRUNO SKIPPER を試走した印象は、“絶対的な速さはないけど楽しい” というものでした。ハンドル幅が広いので操縦安定性が高く、それでいて406タイヤのミニベロならではの旋回性も健在。カッチリした変速も小気味よく、ストップ&ゴーの多いストリートをキビキビと走れます。
所有者である相方も、今回のカスタムを高評価。フラフラせずに乗れて走りやすく、サドルの具合も悪くないとのこと。試走後、上機嫌でポタリングを企てはじめてました。となると、サドルバッグと携行品を用意しないとですね。はい、次回は[サドルバッグ編]です。
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