長らく放置されてた SAKAE LITAGE を引き取って、早くも1年以上が経過してました。あまり好ましくない状況です。いつまで不動車を玄関ポーチにのさばらせておく気なのかと怒られます。とりあえずバラしてフレームだけにし、レストアをはじめられる状態にしますか。
この SAKAE LITAGE は隅田川から漂う湿気に30年近く晒されてたので、フレームからパーツまでサビだらけ。さらに染み出たグリスとホコリがヘドロ状に堆積し、触るだけで手が真っ黒になる始末。そんなわけで、前後ホイールを外すだけでも結構なモチベーションを要するのですよ。
前後ホイールを外した SAKAE LITAGE を室内へ搬入。手が触れるたびに、サビの欠片がパラパラと落ちてきます。赤サビに覆われたパーツは捨てるとして、フレームの腐食具合が気がかり。もしもフレームの内側がサビてたら、躊躇することなくレストアを断念するつもりです。
それでは車両をバラしますか。手はじめに、赤サビにまみれて1mmも動かないチェーンをカット。8速用チェーンなので、手持ちの TOPEAK Universal Chain Tool を使うことができました。それほど大きな抵抗もなくピンが抜け、チェーン本体はサビの欠片を撒き散らしながら床へ落下。
次はリアディレイラーを外そうとしたものの、ボルトが固着しててビクともしません。再利用できる望みの薄いパーツだ、CRC5-56を浸透させて固着面のサビを浮かせてしまおう。吹き付けて5分ほどすると、難なくボルトを回せるようになりました。以後、各ボルトとも同手順を踏みます。
続けてクランクセットの撤去。フィキシングボルトを外したら、チェーンリング側のネジ穴にコッタレスクランク専用工具TL-FC10をハメてモンキーレンチで時計回し。反対側も同様の作業をして圧入を解き、クランクを引き抜きます。たぶん、生涯で数回しか経験しないであろう作業。
左右のクランクが外れたら、左側のBBにスクエアテーパーBB脱着工具TL-UN74-Sを装着し、モンキーレンチを使って反時計回し。ワンが外れたら右側のBBに脱着工具を装着し、今度は時計回し(右側は逆ネジ)に緩めます。そして、露出したBB本体をズルっと引き抜いてみると……。
BBシェルの内側は、拍子抜けするほどキレイ。30年間、外気に触れることなく密封されてたおかげですかね。ようやく、LITAGEのレストアに向けてのポジティブ要素が出現。ゴムみたいに固形化したデュラグリスの残滓に感謝しながら、BBシェルの内側をクリーニングしてやります。
一方、樹脂パーツは経年劣化が著しく、白濁化したテールライトは手が触れるたびにモロモロと崩れて破片が飛び散ります。うーむ、最初にココを取り外しておけばよかった。そんな後悔をしながら破片を掃除し、シート周りの撤去に取り掛かります。
CRC5-56を浸透させたシートクランプボルトを緩め、シートポストを引き抜いてみると……。茶褐色に変色したグリス以外に異常はなさそう。ここも30年間、外気に触れることなく密封されてたようですね。シートポストもシートチューブの内側も、サビは見られませんでした。
反面、外気に触れてたフロントディレイラーは、赤サビだらけで完全にアウト。ディレイラーバンドの固定ボルトが脆くなってるので、注意深くヘックスレンチを回します。ボルトの頭を欠損したら外せなくなる! ここは文字通り、脂汗を垂らしながらの作業ですよ。
一見、使えそうな感じのするブレーキキャリパーは、内部のスプリングが赤サビだらけ。とてもじゃないけど命を預けられる状態ではなく、前後とも取り外します。ブレーキシューの山を見る限り、走行距離は多くなかった車両なのだろうなあ。
次はドロップハンドルをスレッドステムから引き抜こうと思い、本革っぽいバーテープを剥がすことにしました。ところが経年劣化で千切れまくるわ、内側のスポンジがハンドルに固着してるわ。ああ、イライラする。ムキーッ、こんなのチマチマと剥がしてられっか!
ということで、スレッドステムごとハンドルを除去することにします。ステムシャフトを緩めてスポーンと引き抜き、勢いそのまま粗大ゴミ入れへドーンッ! ああスッキリした。あとは残ったシフトケーブルやブレーキケーブルを取り除けば、ひとまずのバラし作業は完了。
こうして SAKAE LITAGE から外した1056系コンポーネントを、軽くクリーニングして並べてみました。何だか使えそうに見えるでしょ? でも実際は、内部構造がサビちゃって正常に動作しません。ビンテージとしての価値があるシリーズでもないので、近いうちに捨てます。
なお、スプロケットはリアホイールから外すこともできませんでした。いくらCRC5-56に漬け込もうが、プラスチックハンマーで衝撃を与えようが、脚力でスプロケットリムーバーを回そうが、微動だにしません。何この固着力。仕方ないけど、このまま粗大ゴミに出すしかあるまい。
手元に残す SAKAE LITAGE のフレームとフロントフォークは、WAKO’S フォーミングマルチクリーナー を吹いたペーパーウエスでクリーンアップ。まずは全体に付着したホコリを拭き取り、次にヘドロ状の汚れを集中的に除去。そして再び全体を拭き上げた結果、触っても手が汚れなくなりました。
ようやく SAKAE LITAGE を室内保管できる状態にできたけど、次はフレームのサビ取りという大仕事が待ち構えてます。おっと、その前に化粧カーボンを外さないとなあ。考えるだけで腰が重くなってきましたよ。はてさて、次のレストア作業日はいつになることやら。
4 コメント
突然のコメントで申し訳ありません。
当方も旧105系のレストアに向き合っていますが、
やはり状態は好ましくなく、重たい腰がなかなか動きません。
パーツを捨てるとのことですが、
流石に処分してしまうのは勿体無いように思うのですが・・・
> Bikuさん
コメントありがとうございます。外したコンポはまだ処分してないのですが、自分で直したとしても安全面の疑問を払拭できないので、どうにもレストアする気になれません。いつまでも抱えておけないので、誰か引き取ってくれないかなあ。ほしい方がいれば喜んで譲りますよ!
Saruveraさん
Bikuです。
本日、旧105系コンポを引き取ることができ、感謝一杯です。
半月ほど前、わたくしがコメントを残したことがキッカケで、
何度か連絡を重ね、譲ってくださったこと、
改めて、お礼申し上げます。
力不足ではありますが、技量の範囲内で再生を試みます。
最悪、手持ちパーツの部品取りになるやもしれませんが、
その結果は必ず報告させて頂きます!
では。
> Bikuさん
この度は拙宅までパーツを引き取りにお越しいただき、ありがとうございました。持て余していたパーツなので、どんな形でも有効活用いただけるなら嬉しい限りです。再生を楽しみにしております。また、お近くにお住まいとのことですので、改めて自転車談義でもできれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします!